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  <title>名も亡き日記</title>
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  <description>自称小説サイト管理人七貴の、書評とだらだらとした日常を送り続けるブログ。</description>
  <lastBuildDate>Mon, 11 Feb 2008 12:49:45 GMT</lastBuildDate>
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  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <item>
    <title>犬上すくね　「伊勢佐木真剣卓球師外伝　ラバーズ７」</title>
    <description>
    <![CDATA[犬上すくねの恋愛マンガ。<br />
<br />
<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091571069/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/315hbQBmCZL.jpg" border="0" alt="ラバーズ7 7 (7) (サンデーGXコミックス)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091571069/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">ラバーズ7 7 (7) (サンデーGXコミックス)</a><br />犬上 すくね <br /><br />小学館  2007-08-17<br />売り上げランキング : <br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091571069/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
サブタイトルこそ　伊勢佐木真剣「卓球」師外伝なわけだが、卓球は舞台装置でしかない。まあ、表紙を見てもらえばスポーツ漫画じゃないことは分かってもらえるだろう。<br />
<br />
<br />
名前に反して人になつかない子猫系ヒロイン、なつきと、バイト仲間の高校生、森岡ひろみ、そしてバイト先のコンビニのオーナーで、なつきの母親と同級生だった32歳のおっさん（作中でもおっさんと呼ばれるが、32歳はおっさんだろうか……）の三角関係のお話。<br />
<br />
<br />
このコンビニのオーナー、東ノ本宗則（とうのもと　むねのり）が、実はヤクザの組長で、万引きだろうと揉め事だろうとなんでも卓球勝負で片をつけるという変人というのがミソ。<br />
<br />
高校生とヤクザとコンビニを結んでいるのが、卓球というわけで。<br />
<br />
ヒロインのなつきがとにかく可愛い。クールで人を寄せつかないかたくなさを持ちながら、ふとしたところで見せる年相応のかわいらしさや、素直さ、我関せずという態度を取りながら、心の中でやきもちを焼いてたりと本当に身もだえするほどかわいい。<br />
<br />
こりゃ32歳のおっさんも惚れてしまうわけだよなあ。<br />
最初は高校時代の思い出の女だった、なつきの母親の面影をみて、なつきに近づく宗則だが、徐々になつき自身に惚れてしまう。<br />
<br />
15も年下の女子高生にそういう感情を抱いてしまった宗則の苦悩がなんとも微笑ましい。いい歳した男なので、なつきに対してみだらなことを考えたりもするのだが、理解と分別のある大人でもある彼は、自制してなつきと距離を離そうとしたりする。<br />
あまつさえ、なつきのため、恋敵のひろみとの喧嘩の仲裁をしてしまったりするのだ。まったく。<br />
<br />
この微妙な三角関係の揺れ動きを、美人のオカマや組の子分、高校の友人たちなどと人間関係をおりぜることで、重くなりすぎずさわやかに描いている。この辺は犬上すくねの作風の良いところがばっちり出ていて巧い。<br />
<br />
<br />
コンビニと賭け卓球という一見無秩序な要素も、高校生とヤクザの若組長という別世界の人物たちを同じレベルで存在させるために的確な装置の配置でなのだと読んでいて気づかされる。<br />
<br />
この漫画において、卓球勝負はコミュニケーションのツールであり、関係性の表明と確認の手段である。<br />
15歳のなつきと32歳の宗則では、会話よりも卓球をするほうが互いにリラックスができお互いを理解できるし、腕力や地位で宗則で敵わないひろみは卓球で負かすことで自分より優位に立つ宗則の鼻を明かしてやりたいと考える。<br />
そしてなつきとひろみは卓球により互いの意地を通そうとする。<br />
<br />
また、卓球をする二人を観る立場となれば、自ずと二人の距離と関係に気づかされてしまう。<br />
<br />
初読ではなぜ卓球なのだろうかと思うが、通読すれば卓球が介在するからこそ、このアンバランスな三角関係が維持されているのだと分かるだろう。<br />
<br />
とにかくヒロインが可愛く、三角関係はぐらぐらなのに、シリアスになりすぎず面白い！ロマンチックになりすぎず、リアルにもならない。<br />
少年誌のラブコメはマンネリで、少女マンガは甘すぎる、そんな人におすすめの恋愛マンガ。<br />
<br />
<br />
で、ここからが恋の行方のネタバレを含む読了後の感想となるので、知りたくない人は止めておいてほしい。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
読了して思ったのは、やっぱりだめだったか……というため息。<br />
自分は年齢的にはちょうどひろみと宗則の中間に当たるわけだが、どうしても15歳の女子高生に惚れて思い悩む宗則に肩入れしうのだ。<br />
<br />
中盤辺りから、すれ違うひろみとなつきを手助けしてしまって自己嫌悪する宗則という構図が繰り返されて、なつきが裕美に傾きかけていると思われる描写が出てきた時にうすうすは感じていたが、最後には宗則に勝って欲しかった。<br />
<br />
でも、7巻の展開からすると宗則の完敗だよなあ。<br />
<br />
自分の気持ちに素直になったのはいいものの、車と金でなつきを連れ出して釣ろうとするというのはあまりに幼稚だし、焦った挙句、無理やり気味にキスして告白とか大人の余裕無さ杉だろう。あまつさえ、最後には一回り歳の離れた高校生と勝手に彼女を賭けて卓球勝負か！？<br />
<br />
最後はなつきの気持ちに気づいて、納得できないけどとりあえず譲ってやるぜで引いてやればいいものを、醜態をさらしたな、32歳。<br />
<br />
あまりに無様だなあ。<br />
へたれの宗則らしいといえばらしいが、それでもあきらめられないというのも呆れるを通り越して、哀れだ。<br />
<br />
あと、ひろみとなつきもせっかく想いを通じ合ったんだからもう一歩進んだ関係になってもよかったんじゃなかろうか。ううーむ。<br />
<br />
<br />
終わってみれば、歳の差を超えられなかったというのがオチ的には残念か。<br />
<br />
でも面白い。傑作でした。<br />
]]>
    </description>
    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E7%8A%AC%E4%B8%8A%E3%81%99%E3%81%8F%E3%81%AD%E3%80%80%E3%80%8C%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E4%BD%90%E6%9C%A8%E7%9C%9F%E5%89%A3%E5%8D%93%E7%90%83%E5%B8%AB%E5%A4%96%E4%BC%9D%E3%80%80%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%BA%EF%BC%97%E3%80%8D</link>
    <pubDate>Mon, 11 Feb 2008 12:49:45 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>佐々木譲『警官の血』　戦後警察の三代記</title>
    <description>
    <![CDATA[このミステリーがすごい2008年度版ランキング１位作品である。<br />
<br />
ハードカバーで上下巻合わせて３２００円という大作なので、今回も図書館で借りてきた。発表直後に予約を入れたので年末に何とか間に合った。<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104555053/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/21UQYjyLM-L.jpg" border="0" alt="警官の血 上巻" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104555053/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">警官の血 上巻</a><br />佐々木 譲 <br /><br />新潮社  2007-09-26<br />売り上げランキング : 833<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104555053/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104555061/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/21s4QGMU1PL.jpg" border="0" alt="警官の血 下巻" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104555061/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">警官の血 下巻</a><br />佐々木 譲 <br /><br />新潮社  2007-09-26<br />売り上げランキング : 685<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104555061/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
<br />
<i>あらすじ<br />
戦後直後から現代までに渡る警視庁警察官３代の軌跡を描いた作品。<br />
<br />
戦後の警察組織再編における大量採用で警官となり、地元住民のための警官になりたいと派出所勤務を目指した男、安城清二。<br />
しかし、清二はようやく手に入れた派出所勤務三ヶ月目、派出所隣の寺院の火災が起こった夜、現場を放棄し、不審な死を遂げる。<br />
<br />
<br />
父の背中を見て育ち、自分も派出所勤務を望んだ清二の息子民雄。しかし民雄の願いとは裏腹に、公安捜査のため学生運動への潜入捜査を命じられ、過度のストレスは民雄の心を病ませる。<br />
その苦しみの果てに、ついに念願かない、父と同じ派出所勤務を得る。<br />
民雄はそこで父、清二が捜査をしていた二つの殺人事件を追ううちに、清二の死の謎の手がかりを得るのだが……。</i><br />
<br />
物語は清二、民雄、和也と三代に渡り展開し、ある一連の事件の謎と、その謎への捜査を縦軸として、復興期、高度経済成長期、そしてこの現代の各警察史のエピソードが語られていく。<br />
それぞれが時代を彩る珠玉のエピソードで非常に引き込まれる。<br />
とくに、民雄の公安潜入捜査の息詰まる展開は白眉の出来だ。<br />
<br />
<br />
その中で最後に、祖父が捜査を行い、父が手がかりを掴んだある一連の謎が孫の代により明らかになる。<br />
その展開にはカタルシスに欠けるかもしれないが、三代に渡って積み重ねてきた血の重みがある。<br />
<br />
全く正直に言ってしまえば、第一章の清二の時点で私は事件の真相が読めたのだけど……。それはともかく、分かっていても祖父や父の想いを継ぎ、悲願を遂げたあの場面にはぐっと来るものがあった。<br />
<br />
三人とも全く違う警官像を持っている。警官の倫理とは、信念とは、正義とは、という深いテーマを非常に考えさせられた。<br />
<br />
独り言だが、この三代三人は警官として一度も親子肩を並べてないのだよね。それでこの本の評価が変わるわけ出ではないけど、個人的には残念だった。これだけ違う警官像とキャリアを持つ親子が話していたらきっと面白い話が出来たとも思うのだが。<br />
<br />
<br />
８００ページ弱の長編ながら、非常に引き込まれて読みやすい本という印象。<br />
警察小説が初めてで、清二、民雄の時代に生きていなかった私ですら十分に面白いと感じせられたリーダビリティは高く評価できるだろう。<br />
<br />
このミスに新年早々よい本に出会わせてもらい、今年はよい年だなと思えた正月でした。]]>
    </description>
    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E8%AD%B2%E3%80%8E%E8%AD%A6%E5%AE%98%E3%81%AE%E8%A1%80%E3%80%8F%E3%80%80%E6%88%A6%E5%BE%8C%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E3%81%AE%E4%B8%89%E4%BB%A3%E8%A8%98</link>
    <pubDate>Sun, 06 Jan 2008 12:41:54 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>片山憲太郎『紅-kure-nai-』　ヒロインは○歳</title>
    <description>
    <![CDATA[新創刊のジャンプＳＱでのコミカライズ、アニメ化企画も進行中のスーパーダッシュ文庫のライトノベル。ジャンプＳＱの広告をみかけて表紙買い。<br />
<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086302721/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/21JXxzuLTHL.jpg" border="0" alt="紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086302721/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)</a><br />片山 憲太郎 <br /><br />集英社  2005-12<br />売り上げランキング : 2457<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086302721/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408630290X/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/31YEMG062CL.jpg" border="0" alt="紅―ギロチン (集英社スーパーダッシュ文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408630290X/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">紅―ギロチン (集英社スーパーダッシュ文庫)</a><br />片山 憲太郎 <br /><br />集英社  2006-07<br />売り上げランキング : 1962<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408630290X/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
あらすじ。<br />
五月雨荘という古いアパートに住む主人公、紅真九郎は１６歳の高校生ながら、揉め事処理屋という顔も持っている。<br />
<br />
ある日、真九郎が尊敬する揉め事処理屋柔沢紅香が一人の少女を連れてくる。彼女の名は九鳳院紫（くほういんむらさき）。大財閥九鳳院家の令嬢で、しばらくの間彼女をかくまって欲しいという依頼だった。<br />
<br />
快く引き受けた真九郎だったが、始まった共同生活は波乱ばかり。<br />
そんな中でも互いを認め始める二人だったが、そんな二人に危険が迫ってきていた。<br />
<br />
<br />
主人公は辛い過去があって、ヒロインには秘密がある。オンボロアパートで個性的な住人たちと共同生活があり、ラブコメあり、バトルあり。<br />
<br />
本当にべたな少年漫画的設定なんだけど、これが思った以上に良かった。<br />
<br />
まず第一に読みやすい。<br />
ラノベでも、文章が凝っているせいで、カッコいいけど読むのが疲れるものや、あまりにひどい文章で数行ごとに変な表現に引っかかったり、読み直したりするものもあるけど、この著者の分は非常に読み易い。<br />
<br />
飾らない文章でストレスなく読める。それでいて十分面白い。<br />
<br />
第二に受け入れやすい主人公。<br />
真九郎は思春期的な現状や将来の悩みも抱えてる等身大な主人公だ。それなりに辛い過去を背負っていたり、実は結構強かったり、周囲の女の子に持てまくってるのに鈍感だったりと主人公特性大盛りだが、素直な性格で嫌味に感じない。主人公が自分にとって認められるやつがどうかは、ライトノベルにとって重要な要素だと私は思っている。<br />
<br />
そしてなんといってもヒロインの紫。<br />
いや、これはやられた。<br />
彼女、何歳だと思います？<br />
なんと７歳。ティーンですらない。<br />
犯罪だ。<br />
特殊な環境で育ったこのお嬢様は世間知らずでわがままで、社会常識がずれまくってるのだが、この天真爛漫さがまた可愛く書けている。<br />
<br />
二人の関係は、恋愛どうこうっていう数歩前の、お互いに大事な人っていうレベルで留まっているのだけど、このへんのさじ加減で微笑ましい感じに仕上がっている。<br />
<br />
<br />
<br />
主人公を囲むサブヒロインもなかなかいい。<br />
一人は幼馴染の銀子。情報屋の孫で実家はラーメン屋。<br />
気難しくて主人公に文句を垂れながらも手助けしてくれる。<br />
<br />
もう一人は、昔の修行先で一つ屋根の下で暮らしたお姉さん的立場の夕乃、清楚で可憐な印象を受けるが、鈍感な真九郎に結構ダイレクトにモーションを掛けてくる。<br />
<br />
好ポジションにつけていた二人に前からさっそうと主人公をかっさらったのがまさかの７歳児。<br />
<br />
銀子は冷ややかに、夕乃は隠さず妬いているところがまたにやにやポイント。本当にひどいロリコンだな真九郎。<br />
いやー分かっていてもいい、こういう展開で布団の上をごろごろ転がるのがライトノベルの醍醐味だ。<br />
<br />
<br />
<br />
あえて難点を挙げるなら、ちょっと端々に鬱だったりグロだったりする描写が見受けられるところか。<br />
<br />
人が死ぬ場面だったり、真九郎の過去の話なんかは読むのが辛い箇所がある。特に終盤明らかになる紫の秘密なんかはかなりエグイ話になっている。<br />
<br />
この辺は多分著者の趣味が出てるんだと思う（続刊の『ギロチン』ではかなりの数の人間がえげつない方法で死んでいったりする）。五月雨荘の和気あいあいとしたパートと、本筋のシリアスで陰鬱な展開の落差は読者を選ぶかもしれない。<br />
<br />
それでも、真九郎と紫のカップルはかなり微笑ましいので、おすすめ。<br />
山本ヤマトのイラストも美麗で作品にぴったり。<br />
<br />
マンガ、アニメも楽しみにしている。<br />
<br />
<br />
]]>
    </description>
    <category>日常</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%97%A5%E5%B8%B8/%E7%89%87%E5%B1%B1%E6%86%B2%E5%A4%AA%E9%83%8E%E3%80%8E%E7%B4%85-kure-nai-%E3%80%8F%E3%80%80%E3%83%92%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AF%E2%97%8B%E6%AD%B3</link>
    <pubDate>Tue, 23 Oct 2007 14:10:19 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">nanaki2.blog.shinobi.jp://entry/128</guid>
  </item>
    <item>
    <title>法月綸太郎　『生首に聞いてみろ』　　</title>
    <description>
    <![CDATA[2004年度「このミステリーがすごい！」1位の作品。それまでずっと寡作が続いていた法月綸太郎の、しかも綸太郎シリーズの久しぶりの長編ということで話題になった一冊である。<br />
<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048734741/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec1.images-amazon.com/images/I/21FBZXHAJQL.jpg" border="0" alt="生首に聞いてみろ" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048734741/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">生首に聞いてみろ</a><br />法月 綸太郎 <br /><br />角川書店  2004-09<br />売り上げランキング : 157426<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048734741/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
<br />
作者の法月と同名の推理作家“綸太郎”が探偵役の本シリーズ。このミス1位ということで期待して読んだ。<br />
<br />
<br />
あらすじは以下。<br />
<blockquote>友人の紹介で、綸太郎はアマチュア探偵として翻訳家の川島敦志からの依頼を受けることとなった。<br />
それは先日亡くなった敦志の兄でもある、彫刻家、川島伊作の遺作となった彫刻についてであった。<br />
<br />
川島伊作が病により息を引き取ったその夜、何者かがアトリエから彫刻の頭部を切断し、持ち去ったというのだ。<br />
その彫刻は、伊作の娘、江知佳（えちか）がモデルとなったもので、彼の代表作『母子像』の集大成となるはずのものだった。<br />
<br />
個人の名誉のためとして極秘に依頼を受けた綸太郎だったが、捜査をするうちに、事件はついに本物の生首が届けられるという猟奇殺人に発展し……。</blockquote><br />
<br />
<br />
読了後の素直な感想を言えば、良くも悪くも探偵小説、といったところか。<br />
<br />
探偵の捜査により少しずつ事件のパーツが集まり、おぼろげながら事件の全体像が現れ、最後にきちんと締める。<br />
<br />
ただ、少し引っ張りすぎた印象は否めない。<br />
事件としては、彫刻の頭部切断事件と、頭部切断殺人事件の二つだが、二つは表裏一体の関係にあり、ようするにネタとしてはワンアイデアなのだ。<br />
<br />
それでも捜査の過程が楽しめれば探偵小説としては成功だったのだろうけど、少々盛り上がりに欠けた点が残念だ。<br />
綸太郎は今回いいとこ無かったし。<br />
<br />
<br />
彫刻事件の方がメインとなってしまうの話なので、被害者があっさりと殺される部分や、犯人の薄さが少し気になる。<br />
<br />
しかし、後半の怒涛の展開は面白い。<br />
なぜ彫刻の首は切断されたのか？<br />
前半に少々退屈なばかりに入れたインサイドキャステイング手法の解説が後半に一気に意味を成す。<br />
彫刻技術をあれほど巧みにミステリーに組み込んだのは、見事と褒めたい。<br />
<br />
また、後味が悪いとの評判もアマゾンの解説で見かけた。<br />
勘違いと不幸な偶然積み重ねが招いた悲劇は、救いがないものであり、読者も真相を知った時に、被害者が明らかになったときに続き、二度目のやるせない無力感を感じただろう。<br />
<br />
真相解明でカタルシスが得られない作品だけに余計に後味の悪さが立ってしまうのではないだろうか。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
だが私にとって、この程度の「苦味」はコーヒーのようなもので、後味の余韻すら楽しめた。<br />
<br />
私は西澤保彦という劇薬の後味を知っているので。<br />
<br />
<br />
]]>
    </description>
    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E6%B3%95%E6%9C%88%E7%B6%B8%E5%A4%AA%E9%83%8E%E3%80%80%E3%80%8E%E7%94%9F%E9%A6%96%E3%81%AB%E8%81%9E%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%8D%E3%80%8F%E3%80%80%E3%80%80</link>
    <pubDate>Sat, 01 Sep 2007 15:47:10 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">nanaki2.blog.shinobi.jp://entry/127</guid>
  </item>
    <item>
    <title>西澤保彦『収穫祭』</title>
    <description>
    <![CDATA[待ちに待った西澤保彦の新作。<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344013484/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec1.images-amazon.com/images/I/21mU2E00WxL.jpg" border="0" alt="収穫祭" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344013484/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">収穫祭</a><br />西澤 保彦 <br /><br />幻冬舎  2007-07<br />売り上げランキング : 3903<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344013484/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
<br />
〈ノンシリーズ〉の〈書き下ろし〉で西澤の最長作品！その上帯には「傑作『依存』を超えた」の文字!!<br />
<br />
これで期待しないわけはない！<br />
<br />
あらすじはざっとこんな感じ。<br />
<br />
<blockquote>バスも一日数本という首尾木（しおき）村。<br />
過疎化が著しい北西区にはたった６世帯、十数名が住むだけという有様だった。<br />
<br />
そんな長閑なだけの村に起こった最悪の惨劇。首を鎌で切り裂くという残虐な手法で謎の殺人鬼が嵐で孤立した北西区の住人を次々と殺してまわる。<br />
<br />
恐怖の一夜を過ごし、大きな代償と引き換えに生き残った３人の中学生たち。<br />
世間を大いに騒がせた事件も、三人の証言により犯人死亡のまま闇に葬られることとなった。<br />
しかし、３人は知っている。真犯人は捕まっていないのだ。<br />
９年後、事件により人生を狂わされた３人に事件を掘り起こそうとするフリーライターが近づく、そして再び起こるあの事件をなぞるような怪事件……果たして真実はどこにあるのか……。</blockquote><br />
<br />
<br />
橋が落ち陸の孤島となった北西区の恐怖の一夜は圧巻だ。<br />
助けを求め村をさまようが、家を訪ねればそこにあるのは首から真っ赤に染まった死体、死体、死体。<br />
<br />
姿泣き殺人鬼と村の全てを闇に覆ってしまう嵐。<br />
極限状態の絶望は読み手をぐいぐいとひきつける。<br />
<br />
生き残りの一人である繭子と省路のそれぞれが時を経てたどり着く真実はまさに驚愕。<br />
<br />
６００ページ弱ある本書だが、だれることなく最後まで楽しめた。<br />
<br />
西澤保彦はトリック系ではなく、ロジック系の推理作家であるが、今回も精巧に伏線が張られている。中々見事なので再読でまた楽しめそうだ。<br />
<br />
<br />
良くも悪くも〈西澤らしい〉作品といえる。人間の悪意に満ち満ちたダークな展開とグロテスクとも取れるほどの濃密なエロティシズムが楽しめる。<br />
<br />
黒さは傑作「黄金色の祈り」や「聯愁殺」を超え、淫靡さは「奈津子シリーズ」並み。鬱でエロエロは西澤の十八番である。先生今回かなり気合入ってる。<br />
<br />
<br />
ただ、ファンであるからこそ色々と指摘したいこともある。<br />
<br />
中盤での省路と繭子の周囲で起こる惨劇の再現といえる連続殺人事件。だが、この事件の実態がひどい。<br />
いくらなんでもそんな理由で人殺すか？どうしてあの乱雑さで捕まらなかったんだというあり得なさ。<br />
<br />
しかし、それすら前菜に過ぎない。<br />
<br />
メインは過去の事件の真相。<br />
ドキドキしながらまさか、あいつじゃねえよななんて思ってたら本当にそいつでショック。<br />
<br />
まあ、もともと登場人物ほとんど死んじゃってるんだから勘ですら当たるくらいなんだけど、それでもこれは当たって欲しくなかった。<br />
<br />
可能には可能かもしれない。<br />
しかしいくらなんでも無茶だろうという展開。どうやってそれで十数人殺せるんだよ。<br />
しかも動機がさっぱり理解できない。もうちょっと頭使えって犯人。おバカすぎる。<br />
<br />
その上、読者置いてきぼりのまま終盤での更なる超展開が待ち受ける。<br />
<br />
これはもう素で驚いた。アリとかナシとかの騒ぐレベルじゃない。<br />
繭子が（以下検閲）とか、その（検閲）が（検閲）だったとか。<br />
<br />
（ ﾟдﾟ）ﾎﾟｶｰﾝ<br />
<br />
ねーよ。<br />
<br />
……先生、何かの影響受けすぎです。<br />
これだったらSF展開に逃げたほうがリアリティがあったんじゃないかと思うくらい。<br />
最後は３人の再会で締めても良かったんじゃないだろうか。<br />
<br />
<br />
ラストのラストで『収穫祭』の意味が分かるようになっているんだけど、ここら辺は素直にうまい。このオチを用意できるところが西澤の魅力だろう。<br />
<br />
<br />
色々と指摘もしたが、個人的には面白いと思える本だった。これは本当。<br />
飽きさせず西澤らしさの詰め込まれた本だ。<br />
<br />
<br />
ただ、ファンだから楽しめる部分もあって、西澤保彦という作家を知らない人にいきなり勧められる本ではないのも事実。<br />
<br />
ぜひ一人でも多くの人に、この世界観に浸って欲しいと思う。<br />
<br />
<br />
さすがに『依存』は超えられなかったか。（長さでは超えたが）<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
]]>
    </description>
    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E8%A5%BF%E6%BE%A4%E4%BF%9D%E5%BD%A6%E3%80%8E%E5%8F%8E%E7%A9%AB%E7%A5%AD%E3%80%8F</link>
    <pubDate>Thu, 16 Aug 2007 14:00:04 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">nanaki2.blog.shinobi.jp://entry/126</guid>
  </item>
    <item>
    <title>フィリップ・Ｋ・ディック/朝倉久志『アンドロイドは電気羊の夢を見るか？』タイトルばかりが有名ですが。</title>
    <description>
    <![CDATA[タイトルが超有名なこの作品。<br />
このタイトルは一度聞くとどうしても聞き返したくなる不思議な魅力がある。この問いかけに何の意味があるのか、どうしても手に取りたくなるではないか。<br />
パロディなんかでも良く使われるネタであるし、ＳＦの傑作といわれるだけに、夏への扉に続いて読んでみたかった作品でもある。<br />
<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150102295/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://g-ec2.images-amazon.com/images/I/21H58ETQ1VL.jpg" border="0" alt="アンドロイドは電気羊の夢を見るか?" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150102295/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">アンドロイドは電気羊の夢を見るか?</a><br />フィリップ・K・ディック 浅倉 久志 <br /><br />早川書房  1977-03<br />売り上げランキング : 5900<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150102295/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
舞台は核戦争後の地球。多くの人類は地球を離れ、アンドロイドを召使にしている。残った者たちは、火星への移住を夢み、核の灰に怯えながら暮らしている。彼らの最上の贅沢は生きた【本物の】生き物を買うことであった。<br />
<br />
主人公はバウンティ・ハンターのリック。地球に紛れ込むアンドロイドたちを見つけるため、尋問によるテストを行い、レーザー銃で招かれざる客を始末している。自分の稼ぎでは本物の生き物など買えず、そっくりに動く電気羊で我慢していたリックに思わぬ獲物の情報が飛び込む。<br />
<br />
火星を脱走した８体の最新型アンドロイドがリックの管轄にやってきているというのである。<br />
<br />
<br />
８体のまったく人間と見分けの付かない最新型アンドロイドを追うバウンティ・ハンターというあらすじならば、当然ハリウッドの典型的なＳＦアクションを思い描きそうなものだが（というか、私はそういう話だと思っていたのだが）、ディックはそうは書かない。<br />
<br />
感情を持つように行動するアンドロイドと、人間の違いとは何か、という問いを徹底的に書いている。<br />
<br />
アンドロイドを判定するためにかけられる感情移入度テスト、本当にくだらない質問でありながら、それによって人間とアンドロイドは分けられている。<br />
最新型アンドロイドを見分ける方法がここまでアナログな手法によるものであることには現代社旗へのディックの皮肉を感じ取ることが出来る。<br />
バウンティハンターのリックや、彼と知り合うフィルですら、自分がアンドロイドであり、記憶が捏造であることを疑わざるを得ない。<br />
<br />
<br />
<br />
正直に言ってしまえば、読後感ははじめ良いとは言いがたいものだった。<br />
期待していたバトルもなく、後味の悪い結末と、意味深なラストシーンが残る。<br />
このラストシーンの意味は何なのだろうか。何の決着なのだろうかそれを考えて悶々とした。<br />
<br />
しかし、無関係とも思えた一つ一つのピース……<br />
「感情移入」の象徴であるマーサ教、永遠にバカ話を続けるバスターフレンドリーのテレビショー、自分を人間と信じていたアンドロイドレイチェル、精神能力テスト不合格者の哀れなる特殊者（スペシャル）イジドア、そして、電気羊。<br />
<br />
その全ての存在と配置の意味に気づいた時、この作品は真の姿を見せる。<br />
<br />
断片的で歪なピースを組み合わせて作られた世界はしかし、ディックの手により確かに一つの世界を構築していたのだ。一切の無駄なく。<br />
<br />
決して爽快な展開ではないかもしれないが、読む価値を与えられた本である。<br />
<br />
<br />
そして、最後にはタイトルに戻ってくる。<br />
<br />
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか？」<br />
読み終わっていれば、まさにこの一文なのだ。<br />
これしかないとまでいえる、凝縮された一文。<br />
<br />
そこに私は感動した。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
余談だが、少女型アンドロイドのレイチェルにはドキドキしてしまった。<br />
すでにクールなアンドロイド少女はディックが完成させていたのだね。<br />
]]>
    </description>
    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%EF%BD%8B%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%9C%9D%E5%80%89%E4%B9%85%E5%BF%97%E3%80%8E%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%81%AF%E9%9B%BB%E6%B0%97%E7%BE%8A%E3%81%AE%E5%A4%A2%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%82%8B%E3%81%8B%EF%BC%9F%E3%80%8F%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AB%E3%81%B0%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%8C%E6%9C%89%E5%90%8D%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8C%E3%80%82</link>
    <pubDate>Sun, 08 Jul 2007 15:26:58 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">nanaki2.blog.shinobi.jp://entry/125</guid>
  </item>
    <item>
    <title>ドナ・アンドリュース『恋するＡ・Ｉ探偵』　少女型ＡＩ　それなんてエロゲ</title>
    <description>
    <![CDATA[　入社して以来、本を読む時間が減ってしまっていたが、これではいけないと思い、昼食後10分でも15分でも本を開くことにした。<br />
<br />
忙しければ数ページも進まない日もあったが、少しずつ読み続けた。<br />
<br />
連載小説みたいなもので、これはこれでよい読み方だなと思ったり。<br />
<br />
<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4151724559/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec1.images-amazon.com/images/I/21X0GDP6EVL.jpg" border="0" alt="恋するA・I探偵" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4151724559/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">恋するA・I探偵</a><br />ドナ・アンドリューズ 島村 浩子 <br /><br />早川書房  2005-08-09<br />売り上げランキング : 262582<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4151724559/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
<br />
てなわけで、『恋するＡ・Ｉ探偵』です。<br />
<br />
わかりますね？タイトルで手に取りました。こっぱずかしくて、ゴロがいいのでつい手が伸びてしまいました。<br />
<br />
あらすじ<br />
<br />
舞台は現代のワシントン・ＤＣ。あらゆる顧客の要望にこたえる情報サービス会社<ユニバーサル・ライブラリー>社。<br />
<br />
そのＵＬ社で働くチューリング・ホッパーは、有能で賢くてチャーミングで、顧客にも社員にも大人気のりサーチャーである。<br />
<br />
顧客はおろか、社内の人間だって、初めて聞けば驚くよりも、信じられないだろう。実は彼女は人工知能（ＡＩ）なのである。<br />
<br />
そんな彼女の生みの親、プログラマーのザックが突然失踪してしまった。<br />
世界中のミステリを読み込んでいるチューリングは、友人たちの助けを借りてザックを探そうとするのだが……。<br />
<br />
<br />
<br />
とにかく、チューリングがかわいい。<br />
世界中のデータベースとシステムにアクセスできる彼女は回線さえ繋がっていれば出来ないことは無い最高の能力の持ち主なのだが、強気で自信にあふれた物言いとは対照的に、その心は十代の少女のように純粋で、好奇心旺盛で、繊細で傷つきやすい。<br />
<br />
味覚も無いのに趣味は新作料理のレシピ作り。<br />
親しい人と話す時は顔文字混じり「アハハハ！（≧▽≦）」<br />
いたずらをしてみたり、ザックのことを思って落ち込んでみたり、本当に、ＡＩのチューリングがいたらいいのにと思わせてしまう魅力がある。<br />
<br />
ＡＩなだけに、システムの中にいる彼女の一人称は、専門用語が飛び交うが、それも読み飛ばせるくらいに専門性は抑えられているので問題なし。<br />
彼女の生きている世界を感じられるのは面白い。<br />
<br />
<br />
現実での行動に制限がある彼女の手助けをする、二人の友人たちも魅力的。<br />
オールドミスの秘書のモード。チューリングに劣らず有能で、特技はモールス信号。ＡＩとは分かっていながらも、チューリングとは親友で的確なアドバイスをくれる<br />
<br />
ハードボイルドにあこがれるコピー係のティムは、チューリングのことを赤毛の女の子と妄想している。天性の情けなさをあちこちで見せてくれる彼はしかし、憎めない愛すべき人物に描かれている。<br />
<br />
<br />
<br />
内容はミステリというより、文字通り探偵小説。<br />
謎の黒幕とチューリングたちの情報戦、頭脳戦がテンポよく連なっていて飽きない。<br />
しかし、終盤の展開には少し不満も残った。<br />
<br />
チューリングの親であり、恋の相手である、ザックが思ったよりも話の中心に来ないのである。<br />
<br />
ネタばれは避けたいが、ザックに会いたい一心でチューリングは大冒険をしていたのに、いざ登場の段になると、チューリングや読者が想像したような展開にはならないんだよね。（曖昧な言い方ですまないが）<br />
<br />
もっと、チューリングとザックの関係を重視して展開させていれば、終盤の失速は避けられたかなと私は思う。<br />
<br />
しかし、チューリングの魅力は保障するのでぜひ。<br />
<br />
<br />
アメリカでは既にシリーズ4作が出ているとのこと。ぜひもっとチューリングに会いたいと思った。ぜひ続刊を翻訳希望。<br />
<br />
<br />
……日本人がプログラムしたら、もっと媚び媚びの美少女ＡＩになってたんだろうなと思ったり。]]>
    </description>
    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%8E%E6%81%8B%E3%81%99%E3%82%8B%EF%BD%81%E3%83%BB%EF%BD%89%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%80%8F%E3%80%80%E5%B0%91%E5%A5%B3%E5%9E%8B%EF%BD%81%EF%BD%89%E3%80%80%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A6%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%82%B2</link>
    <pubDate>Fri, 15 Jun 2007 12:05:54 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">nanaki2.blog.shinobi.jp://entry/124</guid>
  </item>
    <item>
    <title>ペンギン革命（５）　すいません、そういうのは取り扱っていません。</title>
    <description>
    <![CDATA[このブログの右上に「NinjaTools」のアイコンがあるのが分かると思う。<br />
<br />
以前書いたこともあるが、これはアクセス解析のアイコンである。<br />
<br />
日に二桁行けばいいようなブログだが、ここにたどり着く人はいろいろなワードで検索しているようだ。<br />
<br />
書評ブログなので、本のタイトルや作者名で検索してこられる人が多いのだが、このひと月で急激に増えた検索ワードが「ペンギン革命」だったりする。<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4592182456/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec1.images-amazon.com/images/I/21SGLSdM3tL.jpg" border="0" alt="ペンギン革命 5 (5)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4592182456/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">ペンギン革命 5 (5)</a><br />筑波 さくら <br /><br />白泉社  2007-04-05<br />売り上げランキング : 2036<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4592182456/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
ペンギン革命については以前<a href="http://nanaki2.blog.shinobi.jp/Entry/92/" target="_blank">「筑波さくら『ペンギン革命』（１）～（４）　正統な白泉社の少女マンガ設定だけど、ほのぼの癒し系」</a>という記事を書いたのだが、これが最新刊の発売で検索上位になっているようだ、と思ったのだが……。<br />
<br />
検索ワードのほかに、このアクセス解析ではワードの組み合わせでの検索数も出るようになっている。<br />
それを見て驚いた。<br />
2位の組み合わせは<br />
「八房龍之介」（本当の表記は龍之「助」なのだが）<br />
これは前から多いワードなのだが、驚いたのは1位と3位。<br />
<br />
1位「ペンギン革命　小説」<br />
2位「ペンギン小説　夢/小/説」（スラッシュは都合上入れてますが）<br />
<br />
なんですかこれ。（夢/ 小/ 説）で検索するとすごいページがたくさん出てくるのだが。<br />
<br />
どうも、このサイトにペンギン革命で検索してきている人は、書評を求めているわけじゃないようだ。他に創作小説をセカンドワードに入れている見たいだ。<br />
小説の創作もたまにやるのでどうもこの手の検索は多いが、残念ながら、二次創作はしないので、ご了承願いたい。<br />
<br />
そういう小説を探してドキドキしながら検索した結果たどりついたのが私のブログかと思うと、<s>昏い悦びを感じる</s>申し訳ない気持ちがする。<br />
<br />
ついでというか、乗りかかった船なので、5巻のレビューを。<br />
<br />
5巻は綾織真のスキャンダルから、芸能事務所ピーコックとかつての大女優丘よう子の過去が次第に明らかになっていく。<br />
<br />
丘よう子の引退の原因となった交通事故の運転手が綾織の父親だったというスキャンダルが安岡プロにリークされ、さらに丘よう子をモデルにした映画が綾織のいとこ、真柴麗奈の主演で公開されてしまう。<br />
<br />
ピーコックは窮地に陥るかと思われたが、社長は極秘に事務所の総力を注いだ映画を製作していた。それは安岡プロと同じく丘よう子の半生を描いた映画で、その主演はなんと葛城涼と綾織真だった。<br />
<br />
3巻4巻は奈良崎譲の話が中心だったが、ようやく今まで名前だけの存在だった丘よう子にスポットライトが当たった。<br />
<br />
ゆかりの憧れの大女優で、涼の母親、社長の妻、そして綾織の父が起こした事故で引退した丘よう子。この漫画の中心人物でありながらぽっかりと空白となっていた彼女の真実が二人の主演の劇中映画で明らかになっていく。<br />
<br />
過去の話は必要になると思ったが、それを劇中映画にしたのは少し面白い。<br />
丘よう子と社長の過去の一件があって、二人の子である涼と、事件と深い関係がある真がそれを映画として演じている。さらにそれを鑑賞しているゆかりがいるという場面だ。<br />
過去と現在の二つの時間軸にまたがっていて、さらにそれが映画であるというメタ的な構造になっている。<br />
役の人物と、役者、それぞれの心理を考えるといくつもの見方が生まれてきて楽しめた。<br />
<br />
にしても、多少突っ込みどころも。<br />
軟禁されている涼を助けたゆかりたちに、社長がヘリで迎えに来るとか（噴き出した）、いくら美少年といっても女装して映画で主演とか、ちょっとと思うところもある。<br />
<br />
でも、まあ、楽しめればいいわけで、少女マンガに突っ込むのは無粋というものなのだろうね。]]>
    </description>
    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3%E9%9D%A9%E5%91%BD%EF%BC%88%EF%BC%95%EF%BC%89%E3%80%80%E3%81%99%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%AF%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%89%B1%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82</link>
    <pubDate>Sun, 20 May 2007 12:15:37 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">nanaki2.blog.shinobi.jp://entry/123</guid>
  </item>
    <item>
    <title>米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』宮部みゆき『誰か』『パーフェクト・ブルー』</title>
    <description>
    <![CDATA[新生活もひと月経つわけですが、どうにも毎日過ごすだけで精一杯という感じでして、面目ない。<br />
<br />
長文考えるのも少々しんどいのだが、更新をこのまま休むのも銅貨と思う。なので読んだ本を短く紹介していこうと思う。<br />
<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488451012/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://g-ec2.images-amazon.com/images/I/31P8W9644QL.jpg" border="0" alt="春期限定いちごタルト事件" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488451012/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">春期限定いちごタルト事件</a><br />米澤 穂信 <br /><br />東京創元社  2004-12-18<br />売り上げランキング : 32170<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488451012/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
<br />
ミステリーではあるが、学園モノで事件も殺人などはなく、日常の謎といったところなので、ライトノベルの感覚に近い。小鳩くんと小山内さんのキャラクターは一見よくあるタイプなのだが、おもしろいひねり方をしていて楽しめた。謎解きよりも小山内さんの正体こそこの小説のミソ。甘いと思ったイチゴが実は梅干だった、みたいな。<br />
<br />
<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334076173/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://g-ec2.images-amazon.com/images/I/31P8BKWSSRL.jpg" border="0" alt="誰か Somebody" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334076173/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">誰か Somebody</a><br />宮部 みゆき <br /><br />光文社  2005-08-20<br />売り上げランキング : 55674<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334076173/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
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宮部みゆきのミステリ。<br />
今多コンツェルン会長の娘と恋愛結婚し、娘をもうけ、コンツェルンの広報室に勤務する杉村三郎は、義父のある頼みを受ける。<br />
それは、会長の専属運転士だった父親の一生を本にしたいという娘二人の手助けをすることだった。<br />
運転士だったと男は少年の乗る自転車に撥ねられ、帰らぬ人となっていた。娘二人は本を出すこで名乗り出ぬ犯人に父のことを知らせたいという。杉村は男の過去の調査を始めるのだが……。<br />
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愛する妻と娘、義父はコンツェルンの会長、不満の無い仕事、何不自由ない生活……主人公、杉村は自他共に認める幸せ者だ。<br />
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でも、幸せとはなんだろう。<br />
そんな問いかけがただよう小説である。<br />
事故死した運転手が最後まで秘密にしようとした過去に何があるのか。それが明らかになったとき、人は誰しも秘密があって、分かり合えないものであり、誰もが不幸せであり、だからこそ幸せでいられるのだ、そんなことを思った。<br />
トリックやロジックといった面白さのある小説ではないが、心に何かを残す作品である。<br />
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<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488411010/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec1.images-amazon.com/images/I/21P6BSS85QL.jpg" border="0" alt="パーフェクト・ブルー" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488411010/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">パーフェクト・ブルー</a><br />宮部 みゆき <br /><br />東京創元社  1992-12<br />売り上げランキング : 50188<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488411010/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
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『誰か』と共に古本屋で買った一冊。でも手元にあるのは表紙のイラストがひらいたかこの描いたジャーマンシェパードのものである。<br />
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引退した警察犬マサは蓮見親子の経営する探偵事務所で暮らしている。<br />
高校野球のスター、諸岡克彦の弟進也を家出から探し出すという依頼を受けた蓮見探偵事務所だったが、一向は進也と共に、ガソリンで火をつけられた諸岡克彦の遺体を発見してしまうのだった。<br />
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犬の視点から物語を見るというのが面白い一冊。<br />
高校野球のスターの死と、製薬会社への恐喝事件。関係ないように思えた二つの事件の絡み合った糸を解いていくと、そこに罪深き真相があきらかになっていく。<br />
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この作品は宮部の初長編である。初長編でこれだけの作品を書いたことに素直に驚くが、近年の作である『誰か』に比べると粗が目立った。<br />
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高校野球や薬剤についてかなりの取材を行ったことは窺えるが、それが消化しきれなかったのだろうか、真相を全部ぺらぺら喋らせてしまったのは巧くなかった。同じく取材の労が感じられる『誰か』はそれをストーリーと設定の中に巧く消化していることが相対的に分かった。<br />
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マサの視点も少し無理があったように思う。ご都合主義で犬にしては頭が良すぎるし、うまくいきすぎる。まあ、犬が完全に人間の言葉を理解しているって時点でファンタジーなので野暮なことは言いたくないが。<br />
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    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E7%B1%B3%E6%BE%A4%E7%A9%82%E4%BF%A1%E3%80%8E%E6%98%A5%E6%9C%9F%E9%99%90%E5%AE%9A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%81%94%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%80%8F%E5%AE%AE%E9%83%A8%E3%81%BF%E3%82%86%E3%81%8D%E3%80%8E%E8%AA%B0%E3%81%8B%E3%80%8F%E3%80%8E%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%80%8F</link>
    <pubDate>Tue, 15 May 2007 14:25:40 GMT</pubDate>
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    <title>東野圭吾『容疑者Ｘの献身』</title>
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    <![CDATA[容疑者Ｘの献身<br />
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東野圭吾の人気シリーズの湯川学の登場する作品。<br />
平成１７年下半期、第134回直木賞受賞作。あるいは2006年「このミステリーがすごい」1位。<br />
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<table  border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163238603/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://g-ec2.images-amazon.com/images/I/11BHDGMS4XL.jpg" border="0" alt="容疑者Xの献身" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163238603/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">容疑者Xの献身</a><br />東野 圭吾 <br /><br />文藝春秋  2005-08-25<br />売り上げランキング : 6764<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163238603/namonakinikki-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></font><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br />
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高校の数学教師である、石神哲哉は隣人の花岡靖子が元夫を殺してしまったことを知ってしまう。靖子へ恋心を秘めていた石神は、その純粋な想いから彼女を守るため、完璧な隠蔽を実行する。<br />
しかし、その前に立ちはだかる。<br />
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天才数学者が己の全てをかけて作り出した完璧なる証明問題にたいし、かつて帝都大の同期であり、好敵手と認め合った湯川が挑む。<br />
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読み終わった時泣いた。<br />
『手紙』の時も泣かされてしまったが、まさかミステリーで泣かされるとは思わなかった。<br />
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石神という人物にこれまでに無いほど感情移入してしまい、読んでいる中でとにかく心が締め付けられた。<br />
誰にも認められない崇高なる天才が考えた、あまりにシンプルでそれ故に残酷なトリックは、驚くというよりその純粋な想いがただ悲しい。<br />
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ミステリーとしてここまで読ませる作品もそうあるものではないので、読み物としては大いに満足している。<br />
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トリックは現代本格においてそんなに目新しいものではない。<br />
しかし、組み合わせ、というか文体と構成と展開の妙で、読者を引き込ませてしまうので気づきにくい。<br />
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ネタばれを避けるために抽象的な表現になってしまうが、作中で石神が仕掛けるトリックと、作者が読者に対して仕掛けるトリックがうまく作用しているのだ。<br />
おそらく、私のようなミステリ好きの中級者はかなりの確立ではまってしまう仕掛けだと思う。<br />
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この作品の中心にあるのは石神の数学者としての「純粋さ」である。<br />
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この作品ではその「純粋さ」を「愛」として描いているわけだが、その純粋さは一歩引いて見れば狂気ともいえる代物なのである。<br />
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そこに気づかず「純愛」として感動を見出すのもいいだろう。そして、「純粋なる狂気」に気づき、そこに悲哀を感じるのもまたこの作品の読み方だとも思う。<br />
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ただ、東野がこの物語をただの「独身数学オタクが隣の女に惚れた挙句、ストーカー的な妄執で犯罪を犯す」という話に書かなかったことは間違いなく褒めていい。<br />
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ところで、話は少し変わるのだが、2006年のミステリ界はこの『容疑者Ｘ』の話で持ちきりだった。<br />
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<a href="http://homepage1.nifty.com/NIKAIDOU/" target="_blank">二階堂黎人の黒犬黒猫館</a>の容疑者Ｘに関する評論に端を発するミステリマガジン上で繰り広げられた論争のことである。<br />
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くわしいことは検索でもして欲しいところで、省く。<br />
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容疑者Ｘの献身を読み終わった後、図書館に駆け込んでミステリマガジンを2006年3月から半年分借りて読んだわけだが、いやー現代ミステリ界をしょって立つ作家やミステリ評論家が一つの作品について真剣に向き合い、ミステリ界の現状について書いた文章は本当に面白かった。<br />
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しかし、通しで読むと二階堂黎人の議題の持ってきかたのまずさがはっきりと分かる。<br />
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彼の主張は結局「容疑者Ｘは広義のミステリだが、本格ではない。よって、ミステリ評論家の評価が高いことは許せない」というものだった。<br />
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でも、06年3月の同じミステリマガジンに掲載された笠井潔の主張は違うのだ。「容疑者Ｘは本格ではあるが、難易度の低い本格である。よって、ミステリ評論家の評価が高いことは許せない」これが笠井の主張である。<br />
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二階堂と笠井は同じく容疑者Ｘの世間の評価に疑問を持っているがスタンスは全く別だった。<br />
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その後、半年に渡ってミステリ界の偉人たちが論争に加わるのだが、容疑者Ｘが本格であるという点には疑問が出なかった。<br />
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つまり、結局のところ二階堂はの主張は論争の発端となったが、それは<strong>同じく声を上げた笠井に否定されてしまっている</strong>んだよね。これは少し哀れに思えた。<br />
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誌上の評論合戦も、「容疑者Ｘは本格ミステリだが、評論家やランキングでの高評価は妥当なのだろうか」という論点にシフトしていったように思う。<br />
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笠井の主張どおり、難易度の低い本格ミステリは評価に値しないのか。<br />
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難易度の低い高い（ミステリマニアがトリックを簡単に推理できるかどうか）が作品の良し悪しに繋がるのか。<br />
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そもそも、容疑者Ｘのトリックは質が低いと断言していいのか？簡単にわかるというが、そうなのか。<br />
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いや、トリックが云々というより、容疑者Ｘのストーリーだって手放しに褒められるものではないじゃないか。<br />
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こうした各自の論評から透けるのは、何が作品を本格ミステリたらしめるのか、本格ミステリの良し悪しはどこできまるのか、という「本格観」の問題だったのだ。<br />
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80年代終わりからの新本格ブームとその後のメフィスト作家やライトノベル作家らの登場によるミステリジャンルの解体、拡散の動きとも関連づけられそうで、中々有意義な論争だったと思う。<br />
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ここで私の本格観なんて語るのは野暮なので止めておこう。<br />
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ともかく、これだけ高い評価を与えられ、その一方で論争が起こったというのは、この作品に語られるだけの価値があった、ということだろう。<br />
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    <category>書評</category>
    <link>https://nanaki2.blog.shinobi.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95/%E6%9D%B1%E9%87%8E%E5%9C%AD%E5%90%BE%E3%80%8E%E5%AE%B9%E7%96%91%E8%80%85%EF%BD%98%E3%81%AE%E7%8C%AE%E8%BA%AB%E3%80%8F</link>
    <pubDate>Sat, 05 May 2007 13:39:29 GMT</pubDate>
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