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が、ちと体調を崩してます。
一人旅で緊張が続いていたせいか、あるいは、興奮で今まで疲れを感じていなかったせいかもしれませんが、翌日は全身がぼろぼろでずっと寝ていることに。
一人旅は、最初のうち、話す相手がいなくて少々孤独感があったのですが、二日目くらいからはむしろ話さないことが、すごく楽に感じた面がありました。
なんというか、「話さなくていいんだ!」という開放感でしょうか。
これが友人との旅行だとまた違ってくる。(友人と旅行に行くのはそれはそれですごく楽しいのだが)
旅行で行く場所はみんなで行きたい場所にしなければならないし、何を見るか、何をするかだって相談して同意を得なければならない。(もちろん、それが友人たちとの旅行の楽しみであることも深く同意する)
全て一人で決めて、計画し、行動する。全て自分の責任で、失敗しても成功してもそれは自分のモノだ。
興味のあるところは時間を気にせず見て、あっちこっちにぶらぶら歩き回って、連れのことを気にしなくてもいい。
現代社会において、私たちは、コミュニケーションというものをある意味で強いられているところがある、ということを実感する。
……こういうこと書くから、暗いヤツだと思われるのだろうな。実際、否定できないけど。
自分ひとりだけ、頼る人も無く、頼られることも無く、どこか知らない土地に行く、というのは素晴らしく楽しい。
日常に疲れている人がいたら、ぜひ、一人旅をしてみてください。
もう一度道後温泉に戻る。
道後温泉本館で最後に汗を流して行こうという魂胆だ。
改めて浴場を眺めれば、タイルの壁に「坊っちゃん泳ぐべからず」という木札がかかっている。もちろん漱石の小説の一場面を模しているわけで、わけも無く嬉しくなった。
この木札は女湯には無いらしい。当たり前か。
昨日は入浴だけにしたが、今日はもう少し高く払って二階席での休憩を付けた。
浴衣が貸し出され、お茶とお菓子まで出る。
風に当たりながら、二階から眺めを楽しめてご満悦。
さらに、三階の漱石や子規が愛用したという個室の座敷も見学した。
最後に来て、ようやく漱石の後ろ姿を掴んだような気がする。
その後、本館を出て、近くの店で地ビールを一杯。
至福。
写真は二階席で涼むコンキチ。
萬翠荘、愚陀仏庵を見る。
萬翠荘は松山藩主の子孫が大正時代に立てたフランス風洋館の別荘。
今は愛媛県の美術館でもあるが、今日は特に美術品の展示は無かった。
しかし、建物だけでくる価値があった。
ドアを開けてびっくり。
ホール一面に赤い絨毯。白い天井と木目の美しい壁。
正面には上から淑女(※「レディー」と読む)が今にも降りてきそうな荘厳な階段が鎮座している。
ドア、手すり、天井にまで細かい金メッキの細工がされ、しばし溜め息。
だが、屋敷を見た最初の感想が、「『月姫』みたい」というしょうもないものであり、二番目に浮かんだのは、「どういう連続密室殺人事件が起こるか」というさらにしょうもないものであったため、自分の業の深さにあきれ果てた。
愚陀仏庵は漱石が松山時代に下宿していた離れを再現したものである。
子規と漱石は一時期この離れで共に生活していたという。
しかし、行ってみた愚陀仏庵では土日恒例の茶会が開かれていてがっかりする。
観光客相手に茶をふるまうのはいいが、これでは明治の文豪の在りし日など到底忍べない。
しかも茶会に参加しない者は家の中に上がることもできないばかりか、さらには漱石の書斎であった2階は非公開だという。
非常にがっかりした。
写真は大正ロマンに酔うコンキチの図。
今日は観光バスを利用。
昼までに、伊予かすり会館、子規記念博物館、石手寺、松山城を周る。
松山城は工事中で鉄骨に覆われ大変に残念。
昼のあと、子規堂も見た。
記念博物館にも同じことが言えるが、松山では「坊っちゃん」と夏目漱石と正岡子規は一つのセットであるらしい。「子規」と名が付いても漱石の展示がある。
これらからは、3つの松山での立場が伺える。
坊っちゃんがいかに全国的に愛されているか。
夏目漱石の知名度と影響力がいかに強いか。
そして、郷土出身であり、同じく偉大な文筆家である子規が、知名度の割に漱石より不遇であるという現実である。
(子規の本分が俳句で、漱石が小説であり、読者の幅が違うことが大いにあるだろう。)
だが、松山はやはり「坊っちゃんの街」なのだろう。
写真は坊っちゃん列車。
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ア
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