[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ リリー・フランキー 扶桑社 2005-06-28 売り上げランキング : 238 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最近は読んでおきたいと思った小説があっというまに映画やドラマになってしまう。
なので、後々ゆっくりと読もうと思っていたのに、映画が後悔される前に、ドラマが放送される前に読んでしまおうと、結構あせることになってしまう。
去年の『姑獲鳥(うぶめ)の夏』や、今年の『ダヴィンチ・コード』映画化決定と聞いてから、映画の情報に耳をふさぎつつ、必死に読んだ覚えがある。
『東京タワー』も少し前にほかのリリー・フランキーの著作と共に姉に借りたのだが、ゆっくり読もうと積んでいたところに、今月ドラマ化との情報。ちょっと、気が進まない部分もあったのだが、時間があったので今日読んでしまった。
先ほど読み終えて、感想をいざ書こうと思ったところ、29日のドラマは放送延期とのこと。例の事件の影響で。
……こうなるとがんばって読んだのに、少し悔しい気もする。
さて、だいぶ前置きが長くなりましたが、感想を。
イラストレーターで、エッセイストで、コラムニストで小説家で、そのほかいろいろやっているリリー・フランキーと、彼のオカンとオトンを描いた自叙伝的作品……
……いや、なんかしっくり来ないな。
この作品はリリー・フランキーが見つめ、見届けた“オカン”であり、少しだけ“オトン”の話であり……確かな“絆”の話……だと思う。
東京に出て、夢破れて故郷に帰った父、オトン。
育った地に居続けることができず、東京に出た息子、ボク。
故郷を失い、東京の息子の下に身を寄せ、最後には東京タワーの元で逝った母、オカン。
“ボク”から見たボクとオカンとオトンの日々を、ユーモアを交えながらも、静かに見つめ直し、目を背けることなく、丁寧に書き綴っている。
3人が夜の病室で見た東京タワーのシーンが心に残っている。
別の人生を歩んできて、どこかずれていて重なり合うことのなかった親子3人が、手鏡に映った東京タワーを見つめている。
その一瞬だけは、3人にとっての確かな繋がりがあった。
本当に素晴らしい文章だった。
話が少しずれるが、私は本や映画で泣きたくないと思うタチです。
それは、泣ける小説特集だとか、泣ける映画特集だとかで、「泣きたいから泣く」という日本人の姿勢にちょっと違和感を感じるところがあるからでして。
いや、小説や映画それ自体を否定する気は無くてですね、ただ、「泣きたいから感動するものを求める」っていうのは違うだろうと。
感動というのは、したいからするものじゃないだろう、抑えようと思っても抑えられない感情こそ感動だろうと。
まあ、青臭くそう思っているわけなのですが。
……ですが、『東京タワー』には泣かされました。
先の展開は読めるのだから、冷静に読もう、泣くものかと意地を張っていたのだけど、でも抑えられませんでした。
最後の7,80ページくらいは、嗚咽しつつ、ページを繰り、さらに進むと、涙が止まらなくて数行読むと視界が霞んでしまい、涙を拭いて、鼻をかみ、また涙を拭いて、読み進み……と、大変な状態でした。
ここまで本読んで泣いたのは、しばらく記憶に無いくらい。
この作品の前半は、淡々と、時には他人事のように冷静に自身やオカンのことを語っている。
しかし、後半にいくにつれて、その場面に近づくにつれて、著者の書いていて抑えられなくなっていく感情が文章にあふれ出してくる。
オカンはどう感じてたんだろう、何を思ってたんだろう――そんな自問が繰り返し現れるようになり、会話文だけではなく、字の文にも感極まって方言が混じるようになる。オカンに対して想いをあふれさせながら、それでも冷静に語ろうとする“ボク”に、私も感情のブレーキが利かなくなってしまった。
誰しも、親という存在には、感謝と愛情と、疎ましさと、さまざまに入り混じった感情があると思う。
それを解きほぐすように丁寧に書き上げたからこそ、この本は読む人の心に響くのだと思う。
誰にだってオカンがいる子どもなのだから。
この作品は正直、客観的な書評ができない。ギブアップです。
少しだけ、親に素直になろうと思いました。
明日は思いっきり寝ます。
本も溜まっているので読みたいところ。
バイトから帰ってくると本を読む集中力はちょっと無いのでゲームをする。
かまいたちの夜2もやるつもりなのだが、今やっているのは「俺の屍を越えてゆけ」このゲーム以前クリアしていて2週目を思い出してはちょびちょびやっているのだが、飽きることなく楽しい。
今は
このゲームに主人公は居ない。あえて言うと、主役は“一族”である。
平安時代、鬼や妖怪によって荒らされ、荒廃した都が舞台。
最初に操るキャラクターは両親を朱点童子という鬼に奪われ、しかも2年足らずしか生きられない「短命の呪い」と人との間に子どもを残せない「種絶の呪い」の二つの呪いを掛けられている。
復讐を誓おうにも、どう考えても死ぬ方が早いわけだけど、この世にも不幸な子どもに手を差し伸べたのが天界の神様たち。
人との間には無理でも、神様との間になら子どもができる。
こうして呪いを解くために、親の敵をとるために、主人公一族は鬼たちと戦っていく。
……というのがこのゲームの基本設定。
キャラクターたちは2年生きられない(女のほうが寿命が長いがそれでも1年10ヶ月ほどでほとんど寿命を迎える)。
よって、一族が耐えないように、神様と子作りをするのである。
より良い子どもを作るため、より強い神様と交神(子作り)しなければならないが、神様たちは鬼たち(敵)を倒したときに手に入る奉納点というポイントが無くては協力してくれない。
鬼を迷宮に入って倒す → 奉納点を稼ぐ → 交神する → 子どもを成長させるために迷宮に潜って鬼を倒す→以下エンドレス
他にも、このゲームはクリア(朱点童子を倒す)のために、必要なことが沢山ある(強いアイテムを手に入れる、封じられている神様を解放する、強い術を手に入れる)。
一見不自由なことだらけに思えるけど、自由度はすごく高い。
自分が名前をつけ、生まれてから死ぬまでを見届けるキャラクターたちに愛着が無いわけが無い。名前付けるのに30分悩んだこともある。
初めての出陣、ボス退治、親となる日、親を超えたと感じる一瞬もある。天才もできの悪い子もいるけれどもリセットする気にはならない。憎めない。
交信の相手の神様にはいろいろと悩む。能力の強い神様と交神すれば強い子どもが授かるけど、息子には可愛い女神様を、娘には二枚目の男神様を紹介してやりたい親心。
そしてみな遺言を一言残して必ず死んでいく。
その繰り返し、世代の積み重ねの果てに、最後には朱点を倒す。
前回のプレーでは長い長い家系図を見て1時間もニヤニヤしていたものだった。
非常にアクの強いシステムと癖のあるストーリーだけど、とにかく、一族が続いていくだけで面白いこのゲーム。
普通のRPGに飽きた人はぜひ。
少し古いかもしれませんが、未だにこのシステムの斬新さを越えるRPGが無いのも事実。
おすすめです。
ちなみに、井上勇 訳の創元推理文庫版。
エジプト十字架の謎 エラリー・クイーン 東京創元社 1959-09 売り上げランキング : 48353 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
※ちなみに、この書評では「作者」エラリー・クイーンを“クイーン”、小説の「主人公」エラリー・クイーンを“エラリー”と分けて表記している。
首を切り取られ、「T」の形ではりつけにされた変死体。そして現場に残された「T」のサイン……。
小学校校長殺害事件の調査に乗り出したエラリーであったが、しかし、事件は離れた土地で起こった百万長者の殺人事件を皮切りに、連続殺人事件へと発展していく。
姿を見せない「復讐者」の起こす事件にエラリーもついにはさじを投げることとなるが、最後にエラリーは真実にたどり着く。
サークルで推理ゲームをするために、何回かに分けて読み合わせていた小説をついに読了。翻訳小説は読みづらい。
《ミステリーを完成させた》クイーンの国名シリーズの一冊。
なかなかよかった。
クイーンの本は恥ずかしながらはじめて読んだのだけど、きちっと書かれていて論理の筋道は立てやすかった。
ちなみにサークルで出た結論でほぼ正解だった。
推理小説を読みなれた人なら読者への挑戦まででほぼ犯人を特定できるだろう。
海外の作品特有の、軽妙な掛け合いや、エラリーと彼の恩師ヤードリーとの薀蓄交じりのジョークはなかなか楽しめた。
エラリーは好奇心に満ちて活動的で、熱中すると周りが見えなくなるような子どもっぽい性格だが、それが彼の魅力だろう。これまで読んできた小説の探偵たちは偏屈であったり、陰気であったり、変人であったりすることが多かったので、私としては好感が持てた。
有名な「読者への挑戦」は楽しい仕掛けだし、終盤の自動車と飛行機を使った犯人追跡劇も息詰まる展開でよかった。
トリックは正統派で、今読んでも風化は感じられない。
しかし、私たちが読む場合、科学捜査についてはちょっと考慮しておきたいところ。指紋認証があれば、エラリーもこんなに苦労しなかっただろうに。
ただ、犯人の動機だけはちょっと浅薄すぎる。これだけの殺人事件を起こした動機に納得ができなかったのが非常に残念。
よく言われる「人物が描けていない」推理小説の典型のようなオチだった。
しかし、この作品の価値はそんなことでは決まらないだろう。
逆に言うと、ミステリーとして完成していれば、動機など瑣末なことであるという、クイーンなりの答えというようにも思えてくる作品である。
最近のマイブームは
「公園にいる丸々太って足元でうろうろえさを探しているふてぶてしい飛ばない鳩を追い掛け回して無理やり飛び立たせること」
です。
私は今、短期のバイトで百貨店のお中元セールの手伝いをしている。
主に商品の在庫の確認、運搬、お客様への受け渡しなんかが仕事である。
ま、いわゆる雑用、だ。
在庫は分散しておかれているのであちこち走り回る羽目になり、少々大変だが、難しいことはないし、休憩も待遇もなかなか良い職場なので満足している。
裏方なので売り場に出てお客を相手することは少ないのだけど、いろいろな人を見かける。
一人の人もいるし、家族連れ、カップル、会社のおつかいなど、顔ぶれは老若男女。会社や法人で買いにくることも多い。
中には変わった人も来る。
先日、お中元の商品に包装しているおばさんたちがなにやら騒いでいるので、覗いてみると、熨斗(のし)の文面に「○○会 直参 △△□□」と書かれていた。
ヤの付く職業の方だった。
おばさんたちもこわごわ包装していた。
幸い、宅配の商品だったため、窓口で会うことは無かったが、ちょっと私もわけもなくびくびくしていた。
ある日には、袈裟を着たお坊さんが参られたことも……。受付の名前は
「◇◇寺」
どちらも何を買ったかまでは分からず残念。
お坊さんでも、ヤの付く人も、中元は大切なのだなあ、と納得。
だれだって人付き合いが大切だもの。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
アクロイド殺人事件(アガサ・クリスティ)
生贄を抱く夜(西澤保彦)
異邦人 fusion(西澤保彦)
エジプト十字架の謎(エラリー・クイーン)
江戸川乱歩傑作選(江戸川乱歩)
解体諸因(西澤保彦)
彼女が死んだ夜(西澤保彦)
99%の誘拐(岡嶋二人)
黄金色の祈り(西澤保彦)
クビキリサイクル(西尾維新)
九マイルは遠すぎる(ハリィ・ケメルマン)
極限推理コロシアム(矢野龍王)
皇国の守護者(佐藤大輔)
西城秀樹のおかげです(森奈津子)
十角館の殺人(綾辻行人)
小生物語(乙一)
涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流)
全てがFになる(森博嗣)
タイム・リープ あしたはきのう(高畑京一郎)
ダブルキャスト(高畑京一郎)
手紙(東野圭吾)
天帝妖狐(乙一)
DDD(1)(奈須きのこ)
電脳娼婦(森奈津子)
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フランキー)
独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)
ドグラ・マグラ(夢野久作)
夏の夜会(西澤保彦)
麦酒の家の冒険(西澤保彦)
人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)
美女と野球(リリー・フランキー)
病牀六尺(正岡子規)
富嶽百景(太宰治)
平面いぬ。(乙一)
ペンギン革命(筑波さくら)
坊っちゃん(夏目漱石)
マリア様がみてる 仮面のアクトレス(今野緒雪)
マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵(今野緒雪)
マリア様がみてる クリスクロス(今野緒雪)
戻り川心中(連城三紀彦)
名探偵はもういない(霧舎巧)
宵闇眩燈草紙(八房龍之助)
妖奇切断譜(貫井徳郎)
ワ