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で、ダ・ヴィンチ・コード。小説の方は読破済みなので、期待半分、不安半分で鑑賞。
感想を書いた次第なのですが、今回個人的にどうもほめることが出来なかった。
ネタばれは無いですが、こんな良作に何を言う!という人や、これから映画見るつもりの人は覚悟した上で見ていただきたい。
異論反論突っ込みそのほかは受け付けますが、マジレスされると凹みます。
以下隠します。
世界的なベストセラーを原作のもつ、ハリウッド映画。
小説を読んでいて、これはぜひ映像になったところを見たいと思っていたのだが……観終わってみると、こんなはずでは……という感じ。どうも不満が残ってしまう。
ハードカバーで上下巻、文庫で3冊に及ぶ大作を一本でまとめるというのは難しかったか、という印象。
時間という制限がある以上、設定・構成の変更、いくつかのエピソードの削除、は私も当然覚悟していた。でも、それは、原作の一番面白いところまでも削ってしまう結果になった。
ダ・ヴィンチ・コードは暗号解読をふんだんに盛り込んだ、良作の歴史ミステリである。
ルーブル美術館館長殺害に隠された謎、ダ・ヴィンチの名画と共に現れる暗号、そして聖杯を狙う謎の人物。サスペンスとしても息もつかせぬ展開で一気に読ませてしまう快作だ。
しかし、本書の魅力はそれだけでは決してない。
ストーリー中には歴史、美術史、宗教史、それらを結ぶ象徴(シンボル)の数々が登場する。警察や宗教団体から追われる中で何度も行われるラングドンによる宗教象徴学の講義こそ、本作の最大の醍醐味なのだ。
大胆な仮説を振り回し、幅広い知識と丁寧な解説をもって描かれる、ダ・ヴィンチの暗号とシオン修道会の正体、そして驚愕のキリスト教の真実。それらがラングドンによって徐々に明らかにされ、そのたびに、私は知的興奮を感じた。
しかし、映画では(私がすでに筋書きを知っているということを差し引いても)カタルシスを感じることが出来なかった。
なぜか。「間」が無いからだ。
原作を読んでいて、感動に出会ったとき、ふと本を閉じて思わず空を仰ぐ感覚……要するに感動に浸る時間がこの映画には無いのだ。
ダ・ヴィンチが最後の晩餐に隠した意味、聖杯の真実この映画におけるヤマ場のはずだ。しかし、その衝撃を噛み締める間もなく、観客の感情を置き去りにして、映画は進む。
原作の筋書きをある程度忠実に再現しようとした結果、話は盛りだくさんだがテンポが速く、しかも説明はまったく足りないという状況に陥った。おそらく原作未読の人には意味の分からないエピソードも多かったはずだし(フィボナッチ数列、モナリザ、宗教団体オプスデイ)、既読の人は削られたエピソードに歯がゆい思いをしただろう。
つまり、原作の面白さを伝えられてない。
だからといって、原作をそのまま映画化するなんてことは当然無理なわけで(私だって分かってはいるのだが)、なんともやるせない。
ぜひ、未読の人は原作を。
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面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
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