[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私には双子の姉がいて、少女マンガが身近にあった。小学生の時分には女の子のマンガを見ることに抵抗があったのだが、読み出すとこれが結構面白かったりして、男の友人にはとても言えなかったが、よく読んでいた。(しかし、私の友人たちで姉妹がいたやつらは絶対少女マンガ読んでるんだよな。あ、男兄弟なのに読んでるやつもいたな)
姉はリボン派だったが、姉もまた弟と同じくオタクの素養があったためか、中高では白泉社系のマンガに傾倒していった。それでも、BL系には行かなかったことには、私は人知れず感謝している。
そんなこんなで白泉社系の少女マンガが実は好き。
……引かないでくれたまえ。
で、基本的に姉の本を見るだけなのだが、そんな私が唯一買ってる作家が筑波さくらだったりする。
ペンギン革命 1 (1) 筑波 さくら 白泉社 2005-04-05 売り上げランキング : 27427 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ペンギン革命 2 (2) 筑波 さくら 白泉社 2005-09-05 売り上げランキング : 26045 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ペンギン革命 3 (3) 筑波 さくら 白泉社 2006-03-04 売り上げランキング : 23749 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ペンギン革命 4 (4) 筑波 さくら 白泉社 2006-11-04 売り上げランキング : 390 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この人は本当に独特の優しさあふれる世界があって、癒される。
藤丸ゆかりはひょんなことから、副生徒会長の葛城涼子が実は男で、ピーコックという芸能事務所のタレントの卵、葛城涼ということを知ってしまう。
家庭の事情で仕事を欲していたゆかりは、涼の口添えと、事務所の秘密主義もあって、涼のマネージャーとしてピーコックで働くことになる。
スキャンダル防止のため、ゆかりはマネージャー業は男と偽って働くことになり、さらには事務所のナンバーワンタレント真柴綾織を加えた3人で同居することになってしまうのだった。
芸能界もの、ヒロインの男装(もちろん秘密)、女装の美少年、いきなり同居、と白泉社のお得意の題材なわけだが、それだからこそ作者の独自の味付けが光る。
ゆかりは人の芸能の才能(というかオーラ?)を背中の羽として見ることができるという力がある。このあたりの設定は「目隠しの国」の登場人物たちの能力を思い起こさせる。
ピーコック(孔雀という意味)のタレントはランク付けされて、上からトップテンの「ナンバーズ」、スター予備軍の「カラス」、そして最下層の「ペンギン」という具合のピラミッド状になっている。涼はペンギンだが、ゆかりは涼の背中に小さな羽根(=才能の片鱗)を感じている。
「才能」という伝わり難い尺度を「羽根」の表現に置き換えてわかりやすくしている。
設定は突っ込みどころ満載なわけだが、実録芸能界マンガじゃないんだから指摘するほうが野暮だ。
筑波さくらのマンガの良さはヒロインのかわいさだ。
前作『目隠しの国』のヒロインかなでもそうだったが、普通の子っぽいけど、芯が強くて、いつも前向き。癒し系。
ゆかりは料理ができて合気道も得意。不器用ながらマネージャーを必死に勤めているところも好感がもてる。
さっきも言ったシチュエーションであるとか、周りがかっこいい男の子ばかりとか、本当に「正しく白泉社少女マンガ」なのだけど、作者の味でほのぼのと読めるところが良い。
数々のピンチを乗り越え、チャンスをものにしてきた二人だが、ピーコックナンバー10の奈良崎譲がゆかりに本気で告白してきたり(いや、彼はゆかりが女だと知らないままなのだが)、同居人で友人の綾織と事務所の過去がなにやら怪しくなってきたりと4巻は急展開。
次巻が楽しみだ。
余談1:『目隠しの国』はもっと評価されていいと思うんだけどなあ。男性でも読みやすいし、かなでっちゃんはむちゃくちゃかわいいし。
余談2:芸能界もの、男装もの、同居ものといったシチュエーションの似た作品を読み比べるのも面白そうだ。『桜蘭高校ホスト部』『ネバギバ!』とか、『花ざかりの君たちへ』も男装同居か。『ダブルジュリエット』は女装少年だったか。あと、田中メカの『天然パールピンク』は芸能界ものだけどラブコメ色が強いし。芸能ものは他にまだありそうだ。
……覚えてる自分がすごく気持ち悪いな。
余談3:ブックオフにしろ新書店にしろ、少女マンガコーナーに入るのは勇気が要ります。中学生の女の子の背後に立ったらびくっとされたり(当方身長180cm超えてる)、ボーイズラブの棚が目に入ったり……。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
アクロイド殺人事件(アガサ・クリスティ)
生贄を抱く夜(西澤保彦)
異邦人 fusion(西澤保彦)
エジプト十字架の謎(エラリー・クイーン)
江戸川乱歩傑作選(江戸川乱歩)
解体諸因(西澤保彦)
彼女が死んだ夜(西澤保彦)
99%の誘拐(岡嶋二人)
黄金色の祈り(西澤保彦)
クビキリサイクル(西尾維新)
九マイルは遠すぎる(ハリィ・ケメルマン)
極限推理コロシアム(矢野龍王)
皇国の守護者(佐藤大輔)
西城秀樹のおかげです(森奈津子)
十角館の殺人(綾辻行人)
小生物語(乙一)
涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流)
全てがFになる(森博嗣)
タイム・リープ あしたはきのう(高畑京一郎)
ダブルキャスト(高畑京一郎)
手紙(東野圭吾)
天帝妖狐(乙一)
DDD(1)(奈須きのこ)
電脳娼婦(森奈津子)
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フランキー)
独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)
ドグラ・マグラ(夢野久作)
夏の夜会(西澤保彦)
麦酒の家の冒険(西澤保彦)
人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)
美女と野球(リリー・フランキー)
病牀六尺(正岡子規)
富嶽百景(太宰治)
平面いぬ。(乙一)
ペンギン革命(筑波さくら)
坊っちゃん(夏目漱石)
マリア様がみてる 仮面のアクトレス(今野緒雪)
マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵(今野緒雪)
マリア様がみてる クリスクロス(今野緒雪)
戻り川心中(連城三紀彦)
名探偵はもういない(霧舎巧)
宵闇眩燈草紙(八房龍之助)
妖奇切断譜(貫井徳郎)
ワ