[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今回のは、少々身内向け……というか、サークルのメンバー向けに書いた小説なので、この場では公開ができないのが、なんとももどかしいが。
話自体は完全にフィクションなんだけど、舞台を某大学そのままに使ってしまったので、いろんな意味で公開は差し控えなきゃならない。
公開できないことに書き終わってから気づいた。なにやってるんだ、私は。
相変わらず活字を読む気力が出ない。調子いいときは一日一冊読んで、もう一冊手が伸びるくらいなんだけど、どうにも本を読むのがつらい時がある。小説創作と書評のサイトなのにこのありさまだ。
土曜は、レポートも一つ書いてた。火曜に提出のやつだ。
私の専攻とは全く関係ない講義で、おじいちゃん教授が誰も聞いてないような話を続ける、空回り気味の講義だ。既に四分の一ほどが出席しなくなり、出席した生徒の半分は寝ているという状態になっている。
このおじいちゃん教授、私が4年間講義を受けてきた教員の中でも、講義べたな部類に入ると思う。
で、このレポートの内容が、エッセイや、旅行記などに出てくる、「自然地理的な描写」を引用し、それについてのコメントを書けというよく分からないものだった。
自然地理的な描写、と言われましてもというのが、学生たちの反応だったのだ。私も同感だ。
エッセイはあまり読まないし、旅行記なんてついぞ読んだことがない。
最初に思いついたのが、高校の時に読んだ太宰治の「富嶽百景」で、次が出なかったので、結局「富嶽百景」で書くことにした。
書評レポートは大学1,2年の時によく書いたが、最近は専門のレポートばかりだったので、少し嬉しくもあった。
それで、話は戻るわけだが、土曜に、図書館に行き、太宰の全集を手にとって実に数年ぶりに読んでみた。
太宰治の「富嶽百景」や他の著作は、今では青空文庫でタダで読めるので、覗いてみるのもいいかもしれない。
青空文庫
高校一年の時分に読んだ時の記憶は、富士山の麓で太宰がドテラを着て脛毛を出して、井伏鱒二が屁をこいたぐらいのものだったが、読み直してみると結構面白かった。
太宰の富士山への悪態たっぷりの評論がいい。「実際の富士は鈍角も鈍角、のろくさと広がり、(中略)秀抜の、すらと高い山ではない」とか、「ニッポンのフジヤマを、あらかじめ憧れているからこそ、ワンダフルなのであって、(攻略)」などなど、言いたい放題。
特に、御坂の富士をみて、「おあつらいむきの富士である」「これは、まるで、風呂屋のペンキ絵だ」「私は、恥ずかしくてならなかった」と感想を述べるのがいい。そりゃペンキ絵のほうが真似してるんだなんて、野暮なことは言わない。ペンキ絵を富士が真似たんだなんて言い切って憮然としてるのがなんともこの人らしい。
ニッポンのフジヤマがワンダフルのくだりは、やっぱり高校の時に笑った覚えがある。いいセンスしてるよなあ。鹿爪らしく書いてるくせに、所々に微妙なユーモアが入っていて面白い。
あと、下宿していた茶屋の娘さんの描写がかわいい。
富士に降った雪を見せようと、太宰を起こして、得意そうに《「素晴らしいでしょう?」》と普段使わないような言葉遣いになるお嬢さん、萌へ。
あと、奥さんとの馴れ初めもいい。
帰りにのバス停まで送ってくれた娘さん(婚約者)に向かって、「どうです。もう少し交際してみますか」(原文まま)と言う太宰。
その後の一文が《きざなことを言ったものである。》ですよ。
自分で言って、書いて思い出して、そこで照れてんのかよ、太宰。萌へ。
他にも、太宰の姿をいちいち想像すると結構楽しく読める。
おかしい。……なんか、数年のうちに、変なフィルターが脳内にセットされたようで、文学を妙な方向に楽しんでしまうようである。
レポートは大真面目で書いたが、十分楽しめたので、中々得した気分になった。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
アクロイド殺人事件(アガサ・クリスティ)
生贄を抱く夜(西澤保彦)
異邦人 fusion(西澤保彦)
エジプト十字架の謎(エラリー・クイーン)
江戸川乱歩傑作選(江戸川乱歩)
解体諸因(西澤保彦)
彼女が死んだ夜(西澤保彦)
99%の誘拐(岡嶋二人)
黄金色の祈り(西澤保彦)
クビキリサイクル(西尾維新)
九マイルは遠すぎる(ハリィ・ケメルマン)
極限推理コロシアム(矢野龍王)
皇国の守護者(佐藤大輔)
西城秀樹のおかげです(森奈津子)
十角館の殺人(綾辻行人)
小生物語(乙一)
涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流)
全てがFになる(森博嗣)
タイム・リープ あしたはきのう(高畑京一郎)
ダブルキャスト(高畑京一郎)
手紙(東野圭吾)
天帝妖狐(乙一)
DDD(1)(奈須きのこ)
電脳娼婦(森奈津子)
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フランキー)
独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)
ドグラ・マグラ(夢野久作)
夏の夜会(西澤保彦)
麦酒の家の冒険(西澤保彦)
人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)
美女と野球(リリー・フランキー)
病牀六尺(正岡子規)
富嶽百景(太宰治)
平面いぬ。(乙一)
ペンギン革命(筑波さくら)
坊っちゃん(夏目漱石)
マリア様がみてる 仮面のアクトレス(今野緒雪)
マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵(今野緒雪)
マリア様がみてる クリスクロス(今野緒雪)
戻り川心中(連城三紀彦)
名探偵はもういない(霧舎巧)
宵闇眩燈草紙(八房龍之助)
妖奇切断譜(貫井徳郎)
ワ