[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今日からまた短期のバイトに入りまして、少々疲れております。
さて、私の本棚蔵出し書評第一弾、『十角館の殺人』です。
最初ということならこれからだろうと思って選んだ一冊です。
十角館の殺人 綾辻 行人 講談社 1991-09 売り上げランキング : 41540 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ミステリー作家、綾辻行人の1987年発表の処女作。
島田荘司の起こした新本格の流れは、この『十角館の殺人』をもって大きなムーブメントとなる。
この後、有栖川有栖、法月綸太郎ら、京都大学推理小説研究会の後輩らの登場が続き、森博嗣、京極夏彦、西澤保彦のデビューする90年代半ばに、新本格は隆盛を極めることとなるのである。
ようするに、この一冊は本格推理小説というジャンルを語る時に、絶対にはずすことのできない作品なのだ。
であるからして、当然内容も歴史的評価に値するものだ。
孤島の異形の館、十角館へ訪れた大学ミステリ研究会の7人が巻き込まれる連続殺人事件。
孤島側の7人と、本土側に残った主人公、河南(かわみなみ)孝明の二つの視点を交互に入れるという形式で描かれている。この二つの視点を交互に書いていくという形式は後にも綾辻が使っている手法であり、処女作ですでに使っているのはなかなか興味深い。
孤島での連続殺人という、形式は今ではベタとも言われてしまうが、今読んでみても、プロットの緻密さには驚かされるところがあり、色あせない。
メインのトリックも、語り継がれるほどのどんでん返しが用意されている。初めて読んだときにはしばし呆然とするしかなかった。
館シリーズの恒例である、「大仕掛け」は、十角館では抑え目の物となっている。この後、「大仕掛け」がどんどん奇想天外なものになっていくわけだが、この頃の綾辻はまだ謙虚だったということか。
まさしく、綾辻の稀代の傑作。
本格を読む人ならぜひ読んでおきたい一作。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
アクロイド殺人事件(アガサ・クリスティ)
生贄を抱く夜(西澤保彦)
異邦人 fusion(西澤保彦)
エジプト十字架の謎(エラリー・クイーン)
江戸川乱歩傑作選(江戸川乱歩)
解体諸因(西澤保彦)
彼女が死んだ夜(西澤保彦)
99%の誘拐(岡嶋二人)
黄金色の祈り(西澤保彦)
クビキリサイクル(西尾維新)
九マイルは遠すぎる(ハリィ・ケメルマン)
極限推理コロシアム(矢野龍王)
皇国の守護者(佐藤大輔)
西城秀樹のおかげです(森奈津子)
十角館の殺人(綾辻行人)
小生物語(乙一)
涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流)
全てがFになる(森博嗣)
タイム・リープ あしたはきのう(高畑京一郎)
ダブルキャスト(高畑京一郎)
手紙(東野圭吾)
天帝妖狐(乙一)
DDD(1)(奈須きのこ)
電脳娼婦(森奈津子)
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フランキー)
独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)
ドグラ・マグラ(夢野久作)
夏の夜会(西澤保彦)
麦酒の家の冒険(西澤保彦)
人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)
美女と野球(リリー・フランキー)
病牀六尺(正岡子規)
富嶽百景(太宰治)
平面いぬ。(乙一)
ペンギン革命(筑波さくら)
坊っちゃん(夏目漱石)
マリア様がみてる 仮面のアクトレス(今野緒雪)
マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵(今野緒雪)
マリア様がみてる クリスクロス(今野緒雪)
戻り川心中(連城三紀彦)
名探偵はもういない(霧舎巧)
宵闇眩燈草紙(八房龍之助)
妖奇切断譜(貫井徳郎)
ワ