忍者ブログ
自称小説サイト管理人七貴の、書評とだらだらとした日常を送り続けるブログ。
[50]  [49]  [48]  [47]  [46]  [45]  [44]  [43]  [42]  [41]  [40
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

気づいたのだが、毎週木曜になると少しアクセス数が増えるようだ。
それは、私が木曜は必ず更新してるからなわけで。

意図的にやったわけではないのだけど、たて列ビンゴ状態の8月に自分で少しあきれた。

木曜に更新している理由は特に無い。
このブログは調子のいいときだけ更新しているので、木曜は調子がいいのだろう。

さて、ここのところ、近々行く予定の長期旅行の計画と準備に追われているため、まるで本も読めてないし、小説も書いていない。

よって、私の本棚から一冊紹介しておくことにする。





クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣いクビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い
西尾 維新

講談社 2002-02
売り上げランキング : 19103

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


西尾維新クビキリサイクル

ライトノベル界の最先端をひた走っている西尾維新のデビュー作にして、メフィスト賞受賞作『クビキリサイクル』です。

『クビキリサイクル』から続く、戯言遣いシリーズは、2005年の『ネコソギラジカル(上)(中)(下)』をもってすでに終了している。

私が本書を手にしたの。はじわじわとファンを増やしていたブレイク寸前の中期のころで、ぶっちゃけ表紙のtake氏の絵に引かれたのが動機だった。

最初の数ページを読み返して記憶をたどって、当時のことを思い出してみたが、最初の感想は、「えらいものを買ってしまった」といったものだった。

しかも、それは“いい意味で”ではなく、“悪い意味で”だった。

西尾の文体の特徴は、至るところにびっしりと詰められた言葉遊びだ。
その徹底して技法は、読まない人には説明しづらいので、本から数行を抜き出してみよう。

それはきっと、その通りなのだろう。
世界は優秀に厳しい。世界は有能に厳しい。
世界は綺麗に厳しい。世界は機敏に厳しい。
世界は劣悪に優しい。世界は無能に優しい。
世界は汚濁に優しい。世界は愚鈍に優しい。
けれどそれは、そうと理解してしまえば、そうと知ってしまえば、その時点で終わってしまっている、解決も解釈も無い種類の問題だ。始まる前に終わっていて、終わる頃には完成してる、そんな種類の物語なのだろうと思う。


これだけでも、その言葉遊びへの偏狂は分かってもらえると思う。
ここまでいけば、「遊び」と行ってしまうのも憚られる。「言葉紡ぎ」とでも呼べるものと思う。
本書にもいくつものこうした「言葉紡ぎ」が散在し、それはシリーズと押して変わらない。


そして、西尾の作品のもう一つの特徴は、キャラクターの濃さ、設定の膨大さであり、それが尋常ではない。

キャラクターは一般人から天才、超人、貴人、奇人、変人、とにかく多く、すべてに“キャラ立て”がされている。

世界最高の頭脳を持つ7人だとか、絶対味覚をもつ料理人だとか、人類最強の請負人だとか、そんな人たちがごろごろと主人公、いーちゃんの前にでて、そしてあっというまに去っていく。

どいつもこいつも育ちを疑いたくなるような痛い性格と、みょうちきりんな特技をもった人たちばかりだ。ほとんどに個性的というにはぶっとんだハイセンスな名前と姿とセリフが与えられ、その数はシリーズで60人ほどにもなる。

そして、それぞれの人は社会の表や裏で動かすようなとんでもない組織と
繋がりがあり、主人公の知らないところで世界は回っていく。



私は数ページ読んでみてうんざりしてしまった。読みにくい。疲れる。

ぶっちゃけついて行けない。

本書は新書ノベルスサイズで、379ページあり、後にはさらに厚い本があり、上下や上中下に分冊される話もあるのだが、それでも読むのに一番掛かったのがこの『クビキリサイクル』である。2週間ほど開いて閉じてを繰り返したと思う。

それが、徹夜してでも読むようになり、シリーズ最終巻まで付き合うことになるわけだから西尾維新の魔力というべきか。

説明するだけで少々つかれたが、西尾維新の作品とはこういう感じだ。

説明だけで書評までいかなかったが、西尾維新と本書についてはもう少し書きたいことがあるのでまた次回。

すみません。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリー
分類別に記事を見たい
日常:普通の日記で、特にテーマの無いもの。 書評:読んだ本の感想。ミステリー多し。 小説創作:一応ここは創作小説サイトのブログですので。 想うこと:日記よりも堅苦しい話題。 自分のこと:自己紹介文。 ゲーム:おもにコンシュマーゲーム。 その他:分類不能。 旅行:四国旅行紀。
カウンタ
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
七貴
性別:
男性
趣味:
読書 小説執筆
自己紹介:
残念ながら、紹介するほど珍しい人間でもなく、
面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。

二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。

何かの縁です。どうかよろしく。
バーコード
アクセス解析
書評本一覧
五十音順になっています。 タイトルまたは作者名でブログ検索にかけて下さい。

 アクロイド殺人事件(アガサ・クリスティ)
 生贄を抱く夜(西澤保彦)
 異邦人 fusion(西澤保彦)
 エジプト十字架の謎(エラリー・クイーン)
 江戸川乱歩傑作選(江戸川乱歩)

 解体諸因(西澤保彦)
 彼女が死んだ夜(西澤保彦)
 99%の誘拐(岡嶋二人)
 黄金色の祈り(西澤保彦)
 クビキリサイクル(西尾維新)
 九マイルは遠すぎる(ハリィ・ケメルマン)
 極限推理コロシアム(矢野龍王)
 皇国の守護者(佐藤大輔)

 西城秀樹のおかげです(森奈津子)
 十角館の殺人(綾辻行人)
 小生物語(乙一)
 涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流)
 全てがFになる(森博嗣)

 タイム・リープ あしたはきのう(高畑京一郎)  ダブルキャスト(高畑京一郎)
 手紙(東野圭吾)
 天帝妖狐(乙一)
 DDD(1)(奈須きのこ)
 電脳娼婦(森奈津子)
 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フランキー)
 独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)
 ドグラ・マグラ(夢野久作)

 夏の夜会(西澤保彦)

 麦酒の家の冒険(西澤保彦)
 人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)
 美女と野球(リリー・フランキー)
 病牀六尺(正岡子規)
 富嶽百景(太宰治)
 平面いぬ。(乙一)
 ペンギン革命(筑波さくら)
 坊っちゃん(夏目漱石)

 マリア様がみてる 仮面のアクトレス(今野緒雪)
 マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵(今野緒雪)
 マリア様がみてる クリスクロス(今野緒雪)
 戻り川心中(連城三紀彦)
 名探偵はもういない(霧舎巧)

 宵闇眩燈草紙(八房龍之助)
 妖奇切断譜(貫井徳郎)

ブログ内検索
忍者ブログ [PR]