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実はクリアしたのは2日前だったのですが、どうにもちょっと自分の中ですわりが悪かったのか、書くことを決めるのにちょっと掛かってしまいました。
知らない人もいるかもしれないので、ちょっと紹介しときます。
『ひぐらしのなく頃に』とはパソコンでやるノベルゲーム(文章を読み進めていくゲーム)で、このゲームはプロのゲーム会社が作ったものではなく、サークルが同人(CDでいうとインディーズに当たるもの……でいいのか)で作ったものです。
出題編の『ひぐらしのなく頃に』と解決編の『ひぐらしのなく頃に 解』があり、本作は最終作、完結編です。
今回は……すみません、ネタばれありの批評です。ご容赦ください。
長く続いたひぐらしシリーズもついに完結ということで、楽しませてもらいました。
ずっと、夏と冬が巡るたび楽しみにして、楽しませてもらったシリーズだけにちょっとさびしい部分もあります。
前作、「皆殺し編」で、敵の正体が鷹野三四と判明。(ちょっと自慢ですが、この犯人だけは解が出る前にわかりました)
しかし、真相まで後一歩というところで、圭一たちは力尽きました。
本作では、全ての黒幕、鷹野三四のこの雛見沢連続怪死事件にかける情熱の原点から始まる。
ミステリアスな人物として描かれていた彼女の、悲しい過去、固い決意、栄光と挫折が肉付けされていく。
皆殺し編で悪の根源として再登場した彼女はその裏に悲壮なまでの決意を隠している。
また、他の登場人物のこの連続怪死事件への想いも語られることになる。
これまでの、ひぐらしの数々のシナリオと合わせれば、5年目の綿流しの祭りに、どれほどの人物の強い意思の糸が絡まりあっているか、ついに全貌が明らかになるわけである。
そうした「かけら」をついに集結させた今回の「祭囃子編」はその糸を紡ぎ、より上げ、織り上げた、錦のような物語でした。
鷹野の強固な意志で行われる5年目の雛見沢の悲劇を防ぐため、全ての登場人物が千絵と力を合わせるシナリオはカタルシスもあって爽快なものでした。
そして掴んだ最高の結末はまさに、物語のフィナーレにふさわしいものだったと思います。誰ひとり欠けない、誰ひとり罪を引き受けることなく終わる、それこそ惨劇についに打ち勝ったエンディングでした。
ただ、残念だった部分もあったことも確か。
梨花(羽生)と鷹野の対立軸を中心に書いた祭囃子編では、それまでに助力が得られなかった人たちの助けも入ったこともあって、以前のシナリオでメインを張っていた圭一とレナの出番が大幅に減ってます。もちろん、二人がいることには大いに意味があるのだけど、あんまりな扱いとも思う。敵が問答無用で作戦を遂行しようとするだけに、圭一得意の口先三寸も使えなかったし。
その反面、魅音と沙都子は暴れまわっている。魅音といえば、肝心なところで役に立たないヘタレであり、沙都子といえば、いつも足を引っ張る厄介ものの印象が両者強かっただけに、名誉挽回している。
が、やりすぎ。諜報工作が専門とはいえ、仮にも戦闘訓練を受けた陸自の戦闘部隊(山狗)相手に、やりあって、手玉にとって勝ってしまうというのはちょっと唖然。
いくら二人が指揮の天才と、トラップの天才であったとして、百歩譲っていつも遊んでいる裏山が舞台で地の利があったとして、千歩譲って、山狗に油断があったとして、やっぱりできすぎだと思う。
今回最後にして最強の助っ人である、赤坂もだいぶやりすぎ。
空手を死ぬほど修練して、公安警察で修羅場をくぐってきた男として、ある程度強いのには説得力があるのだけど、いくら私が格闘技の素人でも、5、6人の屈強な男たちに対して囲まれて勝ってしまう、素手で車のドアを破壊するとかの描写は、ちょっとあんまりだと思います。
「まさに鉄鋼弾」
かっこいいはずなの妙にツボで笑ってしまいました。
まま、気持ちは分からないでもないのだ。
お気に入りのキャラは優遇したくなるし、それまでに良いとこがなければ見せ場を作って救済してやりたくなるもの。
まして、4年半付き合ってきて、完結編だから、文章や演出に気持ちがほとばしってしまうのも無理からぬことだ。
今回の祭囃子編はどうにも、戦国無双みたいな、とんでも大活躍が目立って、ちょっとがっかりなとこもある。
ひぐらしのカタルシスは、罪滅ぼし編や、皆殺し編で、圭一やレナが見せた、「想えば負けない!」「信じれば叶う!」「仲間がいれば何でもできる!」見たいな、心の力の強さだったように思う。
んーもちろん、祭囃子編はさまざまな皆の強い想いにより起こした奇跡なわけだけど、さすがに、個人のスーパー化はちょっと違うだろうと、思うわけで。これもちょっと高望みしすぎだろうか。
個人的には、今までコメディ編と惨劇編の合図で、さっくり死ぬだけだった富竹が初めて死を免れて、活躍の場もあって、最後にいいとこもっていくとこなんかうれしかったですね。今までが不憫だったので。
いろいろ書いたが、満足できなかったかと言えば、そんなことはない。
製作者が考えた最上の幕引きは(リアルであるかということは塵も問題でなく)、読者の前に解答として提示できていると思う。
それこそ、この解答が妥当であるか、より妥当な解答がありえるかということが話題になること自体、作者の手のひらの上ということなのだ。
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面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
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