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自称小説サイト管理人七貴の、書評とだらだらとした日常を送り続けるブログ。
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ただいま。東京郊外に住む友人を訪ね、いろいろと面白おかしく過ごして帰ってきました。

渋谷、原宿、青山ブックセンター、高円寺の東京阿波踊りなんかも見て楽しかったです。

個人的には銭湯に行ったのがちょっとした感動でした。
スーパー銭湯や温泉、スパのようなものは県内にもあって、行くこともあるのですが、本当の銭湯に行ったのは初めてでした。

番台とか、浴場の壁に描かれている絶景とか妙に感心していい思い出になりました。いや、本当にドラマで見たような銭湯って実在するんだ(笑)と、思ってしまったもので。

さてはて、行く前に書いたとおり、『仮面のアクトレス』を読んできましたので、その書評です。
我ながら、コバルト文庫を書評することになるとは思わなかったのですが、他に本を読んでないので。



シリーズを読んでない人はちょっと分からないかもしれませんが、ご容赦を。
マリア様がみてる (仮面のアクトレス)マリア様がみてる (仮面のアクトレス)
今野 緒雪

集英社 2006-06-30
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前々作、『くもりガラスの向こう側』で、後輩の松平瞳子にスールにしたいとロザリオを渡そうとしたが、拒絶されてしまった祐巳。本作は気まずいまま新学期を迎えた二人を中心に、波乱の生徒会役員選挙を描いている。


生徒会役員選挙により、姉との別れを感じて、余計に寂しさ募る祐巳。シリーズ24冊を読んでいると、初期の頃が懐かしくも感じられてしまう。祐巳と祥子の出会いで始まったシリーズであるから、迫りくる二人の別れに感慨深いものが自分にもある。

スールになってから、助け、助けられきた祥子と祐巳だが、今回の祐巳と瞳子の問題は祥子は励ましてはやれても、助けることなどできない。
こん作は、祐巳と祥子の別れとひとり立ちの助走となる話である。

世代交代、卒業、今まで妹だった祐巳は、今、姉となるための試練に立たされている。

祥子にとってもまた、これは祐巳との別れを受け入れる試練なのである。

祐巳も祥子も一歩を踏み出すためにもがいている。
そしてそれは、瞳子にとっても同じことなのだ。彼女もまた、心を見せないための仮面の下で、何か必死にもがいている最中である。

次の巻ので長かった祐巳と瞳子の問題も決着がつくのではないだろうか。
(しかし、祐巳―瞳子スール問題はずいぶん長くかかっているので、次巻でも終わらないかもしれない)

二人の問題が長く掛かっていたの原因は間違いなく祐巳の鈍感さが招いたものだ。
君はギャルゲーの主人公かと思うくらい、相手の気持ちに気づかず、自分の気持ちすら分からなかった祐巳はだいぶ株を下げている気がする。

『パラソルをさして』で見せた強さを彼女がもてれば、と思ってしまう私なのですが……

……すっかり、はまってるな。

ちなみに、一番好きな登場人物は卒業してしまった、水野容子様だったりする。
なんとなく、品行方正で何でもできてしまう彼女は、器用貧乏というか、人のことばかりかまけて自分を幸せにできないタイプのような気がするのです。
友人や後輩の面倒ばかり見て、周囲の人のことも考えてしまうけど、みんなの笑顔だけで十分な気がしてしまう。
厄介なことを頼まれても、「まあ、しょうがないわね」と物分りよくやってしまうから、ついつい損な役回りばかり引き受けてしまうような、そんな性格の彼女がとても好きです。

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