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乙一がHPに綴っていた日記を出版したもの。小説ではないが、日記やエッセイとも少し毛色が違う。
というのも、私生活や執筆活動、友人知人、編集者、関係者たちとの付き合いが書かれている部分もあれば、好きに書き散らしたような突拍子もないホラ話も平然と混ぜこぜに入っているからだ。
このホラ話が大げさで馬鹿馬鹿しいものばかりだが、さらりと書かれたものが妙に面白く、乙一のセンスを感じさせる。
あとがきに書かれているが、ネットで試しに「小生」という一人称を使って書いてみたところ、実際の乙一とは微妙に異なる「小生」というキャラクターが発生してしまったという。
自分を突き放して小生というキャラクターを創った結果、筆者と乖離し始めたということだろうか。
余談になるが、私も普段「私」なんて一人称ではなく、「俺」か「僕」を使う人間である。ネットで「私」を使うのは出来るだけ客観的に文章を書こうという決めたからなのだが、そういうところで、共感があった。
日記は乙一の住居の変遷に従って、愛知編、東京編、神奈川編と別れている。内容が特に変わるわけではないが、福岡出身の乙一の東京観とか、引き篭もり的な自堕落な生活であるとか、執筆の過程なんかが書かれていて興味深い。神童と呼ばれた乙一の、普通の二十代らしい一面が垣間見れた。
ホラ話の中では中古で買ったソファーの話が秀逸。そこだけ連載小説のような風合いで、このネタで短編くらいかけそうなのにと思った。
あと、欄外に入れられた注釈がいい。ホントどうでもいいようなことまで解説している。出版社の注釈が特におもしろい。
注釈の中にあった、滝本竜彦、西尾維新、佐藤智哉と合コンに行ったというのはすごい。このメンバーはファウストやライトノベル好きの読者にはドリームチームだけど、いくら女性ファンでも合コンはあまりしたくないメンツなのではないだろうか。
合コンでの滝本のだめっぷりとか、西尾維新のエキセントリックっぷりが期待を裏切らなくてグッド。
肩肘張らず、ぱらぱらとめくるだけで、下らなさにいやされる本である。
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面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
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