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自称小説サイト管理人七貴の、書評とだらだらとした日常を送り続けるブログ。
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昨日、今日と東京に行ってきた。
今回は、某公共放送の番組観覧に行くことになったのだ。
私と姉が大ファンの某フラッシュアニメ製作者がゲストの収録だったので、非常に楽しい時間だった。
これから放送の番組だけに、めったなことは書けないのだが、機会があれば話すこともあるだろう。

翌日の今日は、従妹と映画を見に行くつもりだったのだが、急に従妹に予定が入ってしまい、予定を変更して上野のダリ展に行ってきた。
博物館は趣味でよく行く私だが、美術鑑賞は数えるほどしか行ったことがない。

しかし、ダリの絵は素人の私でも引き付けられる魅力があるので、行って見ることにした。

有名な絵も展示されていて、解説も詳しく聞けたので満足。



はてさて。

相変わらず在来線+学割の定番コンボで3時間かけて東京まで往復である。

ここ数年、この東京への往復6時間は貴重な読書時間となっている。
行きと帰り用に2冊持っていくのだが、毎回何を持っていこうかあれこれ悩んだりして、実は移動時間の読書タイムのほうが目的になってきている


で、今回読んだ本の一つがこれである

マリア様がみてる―大きな扉 小さな鍵マリア様がみてる―大きな扉 小さな鍵
今野 緒雪

集英社 2006-10-03
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マリみてである。

前にも書いたことのある、親友の1人がマリ見てファンで、毎回新作を貸してくれる。
読めとプッシュされ続けていたので、今回列車の中で読むことにした。

……まあ、自分も楽しみにしていることは否定できない。
二十台の、身長180cmを超えるむさい男が、コバルト文庫を電車で読んでるわけで、(もちろんブックカバーはしてるけど)かなり背徳的な悦びがある。
うむ、正しく変態だ。

さて、今回のマリみて。
ここ数冊続いている、祐巳と瞳子の関係がメインのお話。

前回、瞳子は祐巳たちの出る役員選挙に立候補し、祐巳を混乱させた。
その目的が、わざと選挙に敗れることだったと気づいた祐巳たちだったが、やはり、瞳子の真意は分からないまま。

祐巳は瞳子を問いただすことも出来ず、関係はギクシャクしたままだ。

2人の周囲の人間もそんな2人に困惑している。

今作は、祐巳の視点で描かれた話がない。
常に、悩みながらも困難を乗り越えてきた祐巳は、今回、自分で動くことなく、ただ、静かに待っている。

読者としては、何だか祐巳らしくない展開で、少し戸惑うが、これこそ祐巳の2年間の成長の証なのだ。

いつもなら、おろおろと困るばかりで、周囲に助けられてきた祐巳だが、祥子との関係や、山百合会の活動、さまざまな人との出会いと別れの中で、確実に成長したのだ。

何も祐巳からのアクションが無いのは、瞳子を信じているから。

瞳子は頑なに、心の扉を閉めてしまっている。
だが、祐巳はただ、無遠慮にノックを繰り返し、ドアを無理に開けようとすることだけが、優しさではないと知っている。

大事なのは、瞳子が扉を自分の手で開けてくれること、そしてその時に祐巳が扉の前で両手を広げ、笑顔で待っていてあげることなのだ。

瞳子の過去の一端が終盤明らかになり、ついに瞳子は、祐巳への誤解に気づく。

鍵は開いた。

あとは扉を開ける勇気を出すだけ。


……なんだかんだ言って、私も楽しみにしてるんだなあ。
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