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年内に何とかけりをつけなければと考えてカリカリしている。
そんな中で、休憩と称して読む本のなんとおもしろいことか。状況が切迫するほど逃避って素晴らしく感じられる。
それが、まさしく傑作だったりしたらなおのこと。論文なんか放り出してちょっと休憩のつもりが全部読んじゃうことも言ってみれば当然だよね。うんうん。
タイム・リープ―あしたはきのう 高畑 京一郎 メディアワークス 1995-06 売り上げランキング : 562895 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
以下、感想
高校2年生の鹿島翔香は朝ごく普通に目覚め、登校した。だが、今日が火曜と聞かされ、翔香は不思議に思う。昨日は日曜だった。自分には月曜の記憶が無い。それは翔香の不思議な旅の始まりだった。
この本は出来るだけ先入観無く読ん打法が面白いと思うので、あまり詳しくあらすじはかけない。
だが、タイトルから予想は付くだろう。早い話、『時間』もののSFである。
タイトルにもなっているタイム・リープという設定が秀逸で、一貫した法則性で書かれているので感心することしきりだった。この設定が話の肝なので、詳しく説明できないのが残念だが、タイムマシンで過去や未来を行き来するのとはちょっと違う、特殊な時間の使い方なのである。
タイム・リープの主体となる翔香の視点で書かれているので、作中の時間はあっちこっち飛ぶのだが、翔香の協力者となるクラスメイト、若松和彦とのやり取りがすごい。彼は時間を飛び続ける彼女を理解し、“時間軸を移動してきた彼女”にその日、その時間に、彼女にとって必要になることをちゃんと教え、与えているのである。若松は天才的な頭脳を持ちながらも、嫌味の無い性格で好感が持てる。この翔香と若松の二人のやり取りがまたさわやかで、ジュブナイル的な要素もちゃんと満たしているところもいい。
記憶の空白と時間軸の経過を最大限に利用した緻密なストーリー展開と、あちこちにちりばめられた伏線に何度打ちのめされたか分からない。
一度読み始めると、時間のパズルのピースが全て埋まるまで止められない面白さがある。
タイム・リープの設定を生かしたラストのオチが鮮やか。一度目は翔香の視点で、二度目は若松の視点で楽しめる本。
とにかく巧く出来てることに感嘆した。すごいの一言。
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面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
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