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出会ったのは高校3年だっただろうか。当時よく覗いていたサイトの管理人さんのプロフィールで紹介されていた一冊でした。
受験勉強中で外に出る程の余裕がない時期でしたので楽しくてしょうがなかったなあ。(人、それを現実逃避と言い)
麦酒の家の冒険 西澤 保彦 講談社 2000-06 売り上げランキング : 153959 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
高原へのドライブの途中迷い込んだ山荘。そこにあったのは冷蔵庫で飲み頃に冷えたヱビスビールのロング缶96本と冷凍庫に凍った13個のジョッキ。
この不可解な"麦酒の家"で一夜を明かすことになったタック、タカチ、ボアン、ウサコたち4人組は、家主には悪いと思いながらも誘惑に勝てず次々とビールを手に取るのだった。ビール片手に、酒の肴がわりに麦酒の家の謎を推理していくうちに、4人はとんでもない真相にたどり着いてしまう……。
ほとんど上記の説明で足りてしまう設定で、全編にわたってひたすらビールを飲みながら冗談半分の推理を披露しては崩しまた思いつき……という繰り返し。
西澤保彦の一つの味である、ディスカッション形式の推理がうまく生きた作品。メインが殺人事件ではないので、シリアスさが無く、話がだれそうに思えますが、突拍子もない仮説と的確な反論がテンポよく提示されるため読者をあきさせない話に仕上がっている。
血の気も凍る殺人だとか、奇想天外のトリックなんてものはないが、推理することの楽しさを思い出させてくれること請け合いです。ラストに明かされる“麦酒の家”の正体には驚かされるだろう。
西澤保彦という作家はアクの強い作品が多いですが、この『麦酒の家の冒険』はミステリとしては変化球でも、西澤作品としては「毒」が少ないので、西澤の長編入門としても、タックシリーズの入門としてもお勧め。
ぜひとも本書を読む時には傍らに良く冷えたビールを一缶用意してください。絶対《おいしく》読めますから。
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面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
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