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自称小説サイト管理人七貴の、書評とだらだらとした日常を送り続けるブログ。
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少々間隔があいてしまいました。

お盆に入ってちょっと気が抜けてたみたいです。
今は先日買った『ひぐらしのなく頃に解』を始めたとこです。
気が向けばレビューを書くかもしれません。あくまでも“気が向けば”ですが。

さて、今日の書評は西澤保彦『夏の夜会』です。

夏の夜会夏の夜会
西澤 保彦

光文社 2001-09
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久しぶりに帰った郷里で小学校時代の友人の結婚式に出た主人公。友人達だけの二次会はさながら小さな同窓会だった。
そこでふとしたことから話題になる、30年前に起こった未解決の女性教諭殺人事件……。

ああ、そんなこともあったねと、座は盛り上がるが、各人の話はどこか食い違っている。遠い記憶を手繰り寄せる友人たち。

おぼろげで、不確かで……嘘と勘違いと自己欺瞞に満ち溢れた『記憶』の茂みを掻き分け、主人公たちは事件の真相を蘇えらせる為、夏の夜会が始まる。

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 出会ったのは高校3年だっただろうか。当時よく覗いていたサイトの管理人さんのプロフィールで紹介されていた一冊でした。

受験勉強中で外に出る程の余裕がない時期でしたので楽しくてしょうがなかったなあ。(人、それを現実逃避と言い)

麦酒の家の冒険麦酒の家の冒険
西澤 保彦

講談社 2000-06
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高原へのドライブの途中迷い込んだ山荘。そこにあったのは冷蔵庫で飲み頃に冷えたヱビスビールのロング缶96本と冷凍庫に凍った13個のジョッキ。


この不可解な"麦酒の家"で一夜を明かすことになったタック、タカチ、ボアン、ウサコたち4人組は、家主には悪いと思いながらも誘惑に勝てず次々とビールを手に取るのだった。ビール片手に、酒の肴がわりに麦酒の家の謎を推理していくうちに、4人はとんでもない真相にたどり着いてしまう……。

ほとんど上記の説明で足りてしまう設定で、全編にわたってひたすらビールを飲みながら冗談半分の推理を披露しては崩しまた思いつき……という繰り返し。

西澤保彦の一つの味である、ディスカッション形式の推理がうまく生きた作品。メインが殺人事件ではないので、シリアスさが無く、話がだれそうに思えますが、突拍子もない仮説と的確な反論がテンポよく提示されるため読者をあきさせない話に仕上がっている。

血の気も凍る殺人だとか、奇想天外のトリックなんてものはないが、推理することの楽しさを思い出させてくれること請け合いです。ラストに明かされる“麦酒の家”の正体には驚かされるだろう。

西澤保彦という作家はアクの強い作品が多いですが、この『麦酒の家の冒険』はミステリとしては変化球でも、西澤作品としては「毒」が少ないので、西澤の長編入門としても、タックシリーズの入門としてもお勧め。

ぜひとも本書を読む時には傍らに良く冷えたビールを一缶用意してください。絶対《おいしく》読めますから。

ミステリーナイトへ向かう列車の中で読んでました。
読了。

妖奇切断譜
妖奇切断譜貫井 徳郎


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舞台は明詞(誤字にあらず)時代の東京。時代をわざと“明詞”としているのは、作者なりの時代考証への配慮だろう。

美人と有名な女たちが相次いで殺される事件が起こる。女の身体はバラバラにされどれも稲荷で発見される。しかも、女の身体はかならずどこか持ち去られているのだった。

被害者たちは今様美女三十六歌仙とよばれる美女ばかりを集めた錦絵のモデルだったのである。

元公家の男九条は、旧友の妹が標的になっていることから、この猟奇怪奇の連続殺人事件の捜査を依頼される。
九条は病床に伏せる天才、友人の朱芳(すおう)の助力を得ようとするが、犯行は止まる気配を見せないのだった。

台風が上陸していますが(@東海地方)、いかがお過ごしでしょうか。
私は明日、東京へ一泊二日のミステリーナイトに参加してきます。
ミステリーナイトについてはここを参照。行ってきまーす。


さて、今日の書評は森博嗣『すべてがFになる』です。
すべてがFになるすべてがFになる
森 博嗣

講談社 1996-04
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ちなみに、普段は文庫派の私ですが、森博嗣作品に関しては装丁がシンプルで非常にかっこいいので、ノベルス版を買っています。

講談社の主宰するメフィスト賞第一回受賞作品。
某大学の現役助教授が書いた小説というのが驚き。
デビューから10年近いですが、未だに一年に数作の新作をコンスタントに発表しているのは、同年代の作家と比べてすごいと思う。

N大学に通う西之園家のお嬢様、西之園萌絵(もえ)とN大学工学部助教授犀川創平はゼミの合宿でとある孤島を訪れる。

その孤島には、14歳の時に両親を殺害したと噂され、その後孤島の施設に閉じこもり、以来15年間、誰とも接触を持たずに研究を続ける工学博士、真賀田四季(まがたしき)の研究施設がある。
天才、真賀田四季との対面を楽しみにしていた犀川だが、彼女は外部との連絡を絶って一週間後、手足を切断され、ウエディングドレスを着せられ、電動ワゴンに運ばれた死体の状態で、発見される。
そして、彼女の部屋にあったコンピュータのディスプレイには「すべてがFになる」という一文が残されていた。


ネタばれはないです。
今日紹介するのは、西澤保彦のタックシリーズ第1作、『彼女が死んだ夜』

彼女が死んだ夜彼女が死んだ夜
西澤 保彦

角川書店 2000-05
売り上げランキング : 163062

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厳格な家庭で育てられた箱入り娘のハコちゃんこと浜口美緒。彼女はようやく念願かなって両親にアメリカでのホームステイを許可される。しかし出発前日彼女が家に帰って見ると誰もいないはずのリビングに見知らぬ女性の死体が……!
 このままでは渡米の話がパーになると思ったハコちゃんは何も知らないタックとボアンを呼び出して「何とかしてくれないと死んでやるっ!」と喉に刃物を押し当てた。成り行きで死体処理の方棒を担ぐことになってしまったタックたち。しかし事件はとんでもない展開に……


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日常:普通の日記で、特にテーマの無いもの。 書評:読んだ本の感想。ミステリー多し。 小説創作:一応ここは創作小説サイトのブログですので。 想うこと:日記よりも堅苦しい話題。 自分のこと:自己紹介文。 ゲーム:おもにコンシュマーゲーム。 その他:分類不能。 旅行:四国旅行紀。
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七貴
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男性
趣味:
読書 小説執筆
自己紹介:
残念ながら、紹介するほど珍しい人間でもなく、
面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。

二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。

何かの縁です。どうかよろしく。
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五十音順になっています。 タイトルまたは作者名でブログ検索にかけて下さい。

 アクロイド殺人事件(アガサ・クリスティ)
 生贄を抱く夜(西澤保彦)
 異邦人 fusion(西澤保彦)
 エジプト十字架の謎(エラリー・クイーン)
 江戸川乱歩傑作選(江戸川乱歩)

 解体諸因(西澤保彦)
 彼女が死んだ夜(西澤保彦)
 99%の誘拐(岡嶋二人)
 黄金色の祈り(西澤保彦)
 クビキリサイクル(西尾維新)
 九マイルは遠すぎる(ハリィ・ケメルマン)
 極限推理コロシアム(矢野龍王)
 皇国の守護者(佐藤大輔)

 西城秀樹のおかげです(森奈津子)
 十角館の殺人(綾辻行人)
 小生物語(乙一)
 涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流)
 全てがFになる(森博嗣)

 タイム・リープ あしたはきのう(高畑京一郎)  ダブルキャスト(高畑京一郎)
 手紙(東野圭吾)
 天帝妖狐(乙一)
 DDD(1)(奈須きのこ)
 電脳娼婦(森奈津子)
 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フランキー)
 独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)
 ドグラ・マグラ(夢野久作)

 夏の夜会(西澤保彦)

 麦酒の家の冒険(西澤保彦)
 人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)
 美女と野球(リリー・フランキー)
 病牀六尺(正岡子規)
 富嶽百景(太宰治)
 平面いぬ。(乙一)
 ペンギン革命(筑波さくら)
 坊っちゃん(夏目漱石)

 マリア様がみてる 仮面のアクトレス(今野緒雪)
 マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵(今野緒雪)
 マリア様がみてる クリスクロス(今野緒雪)
 戻り川心中(連城三紀彦)
 名探偵はもういない(霧舎巧)

 宵闇眩燈草紙(八房龍之助)
 妖奇切断譜(貫井徳郎)

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