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発売日に買ったものの、あまりに好きすぎて、読むことすらもったいない。しばらく表紙を見てはため息をつく日々。
一日一話読み、あれこれ考えながら、ようやく読み終わった。乙女か私はは。
DDD 1 奈須 きのこ こやまひろかず 講談社 2007-01-10 売り上げランキング : 24 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ネタばれは無し
個性的な設定もどくとくの語り口調もツボだ。
奈須きのこについてはあまりに入れ込みすぎるので、今回は冷静な文書が書けそうにない。
本作はノベルゲームではなく小説という媒体である。ノベルゲームは文章に絵とBGM、効果音が付くわけであり、小説では表現が限られる。しかし、奈須はこの制限を見事に活かしている。
この小説にはミステリで言う叙述トリックが多く使われている。
これが非常に巧く、効果的になっている。
一度読んで最後にようやく構造が分かるような手の込んだつくりで、二度読むことで面白さが増す。そして4編の話が絡み合い、一冊読み終わったところでまた始めの一遍を読み直すとさらに新鮮な面白さがある。
叙述トリックはミステリをある程度の数を読んでいると新しいパターンで無い限り分かるようになるのだが、今回は気持ちよくだまされた。叙述トリックも二段三段と複雑かつ巧妙に仕掛けられていて感心した。
(ミステリでない本作の叙述トリックは解けないようにヒントをいれずに書かれているわけだが)
主人公石杖所在(いしづえありか)の普通そうで普通でないつかみ所のない性格も親しみが持てるように書かれているし、四肢の無い謎に満ちた美少年迦遼海江(かりょうかいえ)、最強の刑事戸馬的(とうままと)、最悪の妹の存在も強烈な印象を残す。
アゴニスト異常症患者の設定や、義手の謎なども気になる。
『空の境界』と同じくこの物語は時間軸に沿わずバラバラにエピソードが書かれていくようなので、1巻の伏線が回収されるのが楽しみだ。
いやー、本当に日本の本読みでよかった。こんな本外国じゃ読めない。
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面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
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