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本は読んでるんだけど記事を書くだけのモチベーションがないというか……。
まあ、そんななか、今本を読み終わって感想書きたくてたまらんっ!という本にめぐり会えたのでこうしてタイプしている。
FATE/ZERO
虚淵玄
TYPE-MOON 2006-12-26
これ、普通の本屋には売っていない本です。
いわゆる同人誌。
事情の分からない人に向けて掻い摘んで説明しますと、TYPE-MOONという会社の作った成人向けパソコン用ゲームに『FATE/STAY NIGHT』というものがありまして、これが非常に面白いゲームなのです。
で、一方ニトロプラスという―これも成人向けゲームを作っているとこなのですが―会社に虚淵玄という非常にカッコいい漢くさいシナリオばかり書く有名なシナリオライターさんがいるのです。
これは会社が違うわけで本来ありえないタッグなのですが、虚淵玄がなんとFATEの外伝を書くという事態になって両者のファンを驚かせたわけです。と、これがその本なわけで。オフィシャルだけど同人誌。だからこそ実現できた夢の競演なのです。
FATEや虚淵玄をもっとよく知りたい人はタイプムーンとニトロプラスのサイトをご覧ください。
つまりゲーム本編の前日談になっている。舞台は10年前。
冬木市で60年ごとに行われる聖杯戦争。七人の魔術師は、それぞれサーヴァント(使い魔)を召喚し、最後の一組になるまで戦う。召喚されるサーヴァントの正体は世界の歴史に刻まれた英霊たちであり、時代と国を違える英雄、豪傑、傑物たちが血の饗宴を繰り広げる。
その勝者はあらゆる願いを叶えるという聖杯を手にするとされる。
相変わらず、ことに奈須きのこやタイプムーンが関わると冷静な批評が全く出来ない自分なのだが、その上『ファントム』や『ヴェドゴニア』『鬼哭街』の虚淵が絡んだらもう批評なんかどうでも良くなってしまう。
発売日に駆け込んで買いに行ったというのに、本当DDDと同じく数ページ読んでは胸躍らせ喜びにバタバタ床にのた打ち回るような有様で、もったいなくて読み始めるのに一月かかってしまった。
感想を書こうと思う。
文句なしに面白かった。
ゲーム開始より前の話なわけだから、結末はもう確定しているのだが、終わりが分かっているからといって少しも面白さが損なわれない。
ぼんやりとしか語られなかった衛宮切嗣という男の人間性が描かれ、若き日の苦悩する言峰綺礼、より少年らしい、騎士らしい姿勢で描かれるセイバー、昔も変わらず傲慢不遜で我が道を行くギルガメッシュも当然登場。
他の聖杯戦争の参加者もそれぞれ強烈な存在感を示している。
特に、新キャラクターのウェイバー・ベルベットとライダーのコンビはコントのような掛け合いで気に入ってしまった。ウェイバーのへたれっぷりとライダーのとんちんかんな豪放さが楽しすぎる。
一巻でマスターは全員正体が明かされたが、サーヴァントのほうは七人中二人が真名が不明。特にバーサーカーの正体が気になる。アサシンにも何か裏がありそうだ。
同じ聖杯戦争で、結末も分かっているのにこんなにもわくわくさせる趣向が詰め込まれるとは思わなかった。もう次が待ち遠しい。
間違いなく設定はFATEで文体も合わせた者になっているが、この雰囲気はやはり虚淵のものだと思える。その差異もまた趣か。
とくに切嗣の戦闘に関する下りはもうFATEにおける魔術と英雄の戦いを完全に逸脱している。武器に関する重さと冷たさの伝わってくるような描写はさすがニトロの虚淵と思わせる。煙草と血と硝煙の世界を書かせたら日本一だなあ。
やはり、虚淵にこそ、この第四回聖杯戦争はふさわしい。あの物語の始まり、ZEROにいたる結末までぜひ見届けたい。
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面白い話が出来るほど特異な人生も送っておりません。
二十台の男。弱小小説サイトの管理人です。
何かの縁です。どうかよろしく。
ア
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